大丈V ページ3
「そうかぁ、マジか〜……」
「ごっ、ごめんね！ デンジくんの好きを否定したいわけじゃないの。強くてかっこいいからこそ、恐れをなしちゃうみたいな意味で……」
「なーんだそゆこと！ そんならいいか〜」
落ち込んでしまった彼に慌てて言葉足らずだったことを説明すると、あからさまに機嫌をよくしてくれた。
何も嘘は言っていない。
実際、いつ悪魔に殺されるか分からないこの状況で私達が枕を高くして生活できるのは、彼の活躍があってこそのことだ。
でも、人を殺せる悪魔を殺せるんだから、チェンソーマンに気に入らないと思われた人なんかすぐに殺されちゃうのかな。なんてでたらめなことを考えてしまうのだ。
「ハア！？ んな悪魔みたいなことしねえって！！」
「そうだよね！ ごめん、好きなのにひどいこと言ったりして」
話す内容がなくなって沈黙が続くことを恐れて、短絡的な思考を馬鹿正直に話してしまう。案の定、デンジくんには即レスで否定されてしまった。
俯きがちに謝ると、彼は頭を掻きながら呟くようにして言う。
「誤解されるようなことしてんのがわりぃし、Aがわざわざ謝ることねーって」
「ううん。何も知らないくせにテキトーなこと言ったのがいけなかった……チェンソーマンは、痛い思いして悪魔倒してくれてるのに」
今更になって反省の言葉を連ねる。好きなんだと言っている人の目の前で、悪口とそう変わらないようなことを言うのはどうかしていた。忸怩たらざるを得ない。
許してくれるといいけど……と思いびくびくしながら顔を上げると、デンジくんはギザギザした歯を覗かせながらニッと笑ってみせる。
「Aみたいに優しくて可愛い女子なら、チェンソーマンは絶対味方するから大丈V！ だと思うぜ」
「ぶ、ブイ」
「そ！ 大丈V」
ピンと立てた人差し指と中指を開いたり閉じたりして、笑いかけてくれるデンジくん。彼は思っていたより悪い子じゃないのかもしれない。……それにしたって。
優しくて可愛い、なんて躊躇なく言われてしまって、掃除が終わるまで平静を保つことで精一杯だった。
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めがね - とっても良い！！作品！！！です！！素敵な作品をありがとうございます。 (3月20日 0時) (
レス) @page18 id: a861171d21 (このIDを非表示/違反報告)
awake - 好き (2月17日 21時) (レス) @page18 id: 8771cd27cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきいろ | 作成日時：2023年9月2日 11時
