席替え期間 (ページ10)

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Seat substitute9 ページ10

「えっ……なんで？」

必死に焦りを隠す

まぁ、無駄ってことは分かってるけどね

「だって、席替えしてから春達と喋ってないし……

ってか、避けてる？」

避けてるって思われてたのか……

「別に避けてないよ？

春達とも何もないよ」

本当に何も……

「そう？

まぁ、Aとは、一年から同じクラスだし、何かあったら言ってね」

同じクラスだから、相談出来るのか？

また私は一人で溜め込む

弥生は、私とお昼を共にした後花菜と話をしている。

それって、ただ単に相談したいから？

私にも相談してるけど……

「ダメだ…

考えると虚しくなる」

被害妄想みたいになる

自己嫌悪に陥っていた。

「なんだー？

また、険しい表情だな」

いつの間にか私の真向かいに座っていた零

「ちょっと、色々あるんです。」

何故か敬語

まぁ、いっか

「なんで、敬語？

お前…17だろ？

俺と同い年」

なんで、17って分かったんだろう

「幽霊になった日は浅いけど、この学校の学年カラーは知ってる

１年は、青

２年は、緑

３年は、赤

だから、お前の上履き見て分かったんだよ」

「へぇ……」

やっぱり、幽霊は暇だから人間観察でもしてるのかな？

「その通り!!」

えっ？

「今、私、口に出してた？」

「いや、俺は、心を読めるんだよ」

なんて、便利な能力

あっ、でもやだな…

人間の奥底まで見て聞いて……

自分が傷つく…

「大丈夫!!

無闇に使わないから」

そう言って、小指を出してきた。

懐かしいな

よく、幼馴染みとやっていたことを思い出す。

「ゆーびきーりげんまーんうそつーいたらはーりせーんぼのーまーす

ゆびきっーた」

今、図書室は、私しかいない

人がいたら、完璧痛い子だよね

夕陽に照らされる私の特等席

「明日も来いよ」

そう言ってくれる彼

ちょっとだけ楽しみが増えた。