世界で一番おにぎりが好き！ (ページ4)

今日:6 hit、昨日:11 hit、合計:210,419 hit

3 ページ4

「えっと…韓国語お上手ですね。日本の方…ですよね。」
「はい。日本から来ました。」
「旅行ですか？」
「いいえ。留学生なんです。昨日韓国に来ました。」
「へー…」
(この態度からすると…この子俺らのこと知らないのかな？日本じゃ知名度まだまだだしなー)

ぼんやりそんなことを思っていると、女の子のスマートフォンが可愛らしいメロディを奏でる。

「ごめんなさい。電話、出ていいですか？」
「どうぞどうぞ！」

女の子は申し訳なさそうにぺこりと会釈すると、スマートフォンをタップした。

『もしもし、伯母さん？え？わかった！今行きますね！』

女の子は電話を切ると、チャニョルに再び笑顔を向けた。

「わたし、行きます。おにぎり美味しいって言ってくれてありがとうございました。」
「そんな、僕こそありがとう！」
「どういたしまして。…それじゃ、さようなら。」

女の子はぺこりと一礼すると、荷物を手にとって駆けて行った。
女の子の背中が見えなくなるまで、チャニョルはほうけたようにその背中を見送った。

「おーい！遅いぞチャニョル！」
「コーラ買うのにどんだけ時間かかってるんだよ！」
「あれー？ヒョン口に米粒ついてますよ？」
「なにぃ！？お前一人で何か食ったのか！俺だって腹減ってんのに！」

騒がしいメンバーたちの出迎えに、普段ならノリノリで応えるチャニョルだがどこか呆けたように反応がない。

「あ…あれ？チャニョル君どったの？」
「お、おーい？」
「おにぎり…」
「ん？」
「おにぎり貰った…」
「お、おう、誰に？」
「女の子…」
「おん…な？」
「そう。」

女の子、と呟いてから、チャニョルの表情はみるみるうちに明るくなっていく。それはもう、輝かんばかりの笑顔に。

「おにぎり頬張る姿がさ、すっげー可愛いの！あと笑った顔も！！」
「は！？なんの話なの！？」
「チャニョルヒョン、ニヤニヤ笑顔きもい。」
「しょーがねーじゃん可愛かったんだもん！！」
「もん、とか言うなきもい！！」
「何があったんだよマジで！」

ぎゃーぎゃーと騒ぎ出すEXO。質問攻めに合いながら、チャニョルは先程出会った少女に想いを馳せる。

「はー…また会えないかな、あの日本人の女の子…」
「「「日本人！？」」」

つづく