世界で一番おにぎりが好き！ (ページ27)

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「ひ！？」

私が声をかけようとした途端、空気をぶった切るようにけたたましくタイマー音が鳴った。
これのタイマー音は所謂チャイム代わり。つまり…

「おーい！今日の授業はここまでだ！」

バタンと勢いよくドアを開けたのはEXOのマネージャーさん。これは授業終了の合図。忙しい彼らはすぐに次の仕事に向かわなければいけない。

「えっと…」
「はいはい、早く準備ー！」

私が何か言いかけても、マネージャーさんやスタッフさんが皆さんを誘導していき、みんなぞろぞろと自分の荷物を持って部屋から出て行く。

「行くよセフン」
「あ、はい…」

セフンさんはちらりと私を見て、ルハンさんに促されるまま部屋を出た。ベッキョンさんやチェンさんも、どこか気まずそうに私の横を通り過ぎる。

「Aさん」

こそっと声を潜めてチャニョルさんが私に声をかけてきた。その表情はちょっと苦笑いみたいになっている。けど、

「またね。」

チャニョルさんはそう言って白い歯を見せると、みんなを追いかけるように慌ただしく部屋を出て行った。その言葉が、まるで「気にしないで」と励ましてくれているようで、それが逆にとても申し訳なく思った。気を使わせてしまったかもしれない。
騒々しかった部屋が一気に静かになると、私はぺたんと膝をついた。

『何やってるんだ私。』

あんな嫌な空気にしといて満足に謝ることもできないのか。
私の感情は一気に自己嫌悪一色に染まった。

『初日からこんなんで…うまいことできるの？』

つづく