世界で一番おにぎりが好き！ (ページ2)

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プロローグページ2

プロローグ
郊外にある公園のとある昼下がり。いつもは穏やかな雰囲気に包まれているのだが、今日は少し様子が違う。賑やかな笑い声と歓声。途切れることのないシャッター音の中、各々カメラマンの指示に従いポーズを決める、一際目を引く青年たち。そう。現在この公園内は雑誌のグラビア撮影の真っただ中なのだ。その被写体はというと…

「それではEXOの皆さん、少し休憩にしましょう！」

スタッフの号令に、青年達の緊張感は一気にほどける。
「休憩だー！」と叫ぶ者、うんと伸びをする者、すぐにスマートフォンに目を向ける者と様々だ。
EXO、と呼ばれた彼らは、只今話題の男性アイドルグループである。そんなアイドルの彼らも、カメラを向けられなくなれば年相応にじゃれ合う。

「うおー！腹減った！！」
「どっかにお菓子ないのー！？」
「いててて！おい、俺の背中に乗っかるな！」
「いやーだって楽ちんだからさー」
「眠い…」
「確かにこの陽気は眠くなるねぇ…」
「こらこら本当に寝るなよ？」
「ヒョンーこれヘンだよー」
「どれどれ…？」
「なになに？何あるのー！？」
「ん？チャニョルどうした？」
「ちょっとコーラ買ってくる。向こうに自販機あったからさ！」

「一人で平気か？」「早く戻ってこいよー」というメンバーの声に、「おーう」と適当に答え、EXOメンバーのひとり、チャニョルは騒がしい輪の中から抜け出した。
公園内は運動や散歩にも最適なランニングコースがあったり、所々にベンチがあったり広い芝生があったりとなかなか広い。自販機まで結構遠いな。と思いつつ、チャニョルは足を進める。

(今日はいい天気だなー。にしても腹減ったー。自販機まだかー。)

そんなことを頭の中でぐだぐだ考えていると、ほんのりと美味しそうな匂いがチャニョルの鼻をかすめた。

「ん？」

目をぱちくりと見開いて、匂いの元を辿ると、

(え…)

視線の先には、一人の女の子がベンチに座っていた。ニコニコと、至上の幸せとでもいうくらいの満面の笑顔でそれはそれは美味しそうに何かを頬張っている。

(…おにぎり？)

思わず凝視していると、再びおにぎりにかぶりつこうとしている彼女と目が合った。

(やば！)

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