Fukazaki

５　彩織 ページ6

慧君は私から離れて、私を虐めてた先輩たちの所へ行った。

え...？待ってよ、意味わかんない...。


ふ「またね、藤崎。」

藤崎...。

さ「ねぇっ！待ってよ、慧君！」
ふ「今日からお前と俺は、先輩と後輩だ。気安く慧君とか呼ぶな。深瀬先輩だろ？あぁ？」
さ「.....。」
Ａ「あははっ！慧、ひどぉ〜い！www」
Ｂ「藤崎さん、泣いちゃうよぉ〜笑」
ふ「良いんだよ、あんな奴www」

きゃはははっ！！...段々、慧君たちの声が遠ざかっていく。

もう慧君と前みたいにはなれない。そう思うと、涙が溢れ出した。
私には友達がいなくて、慧君がいつも助けてくれたからここまで来れた。

そんなこと、慧君だって分かりきってるはず。

なのに。なんで..？

ねぇ、慧君。さっきまで頭撫でてくれてたじゃん。代わりに自分が濡れてくれて、大丈夫って、言ってくれたじゃん。あんなに言い返してくれてたじゃん。

何か別のことを考えようとしても、浮かんでくるのは慧君、慧君、慧君...。もう、何なのよ..。



もう、だめだ。私に限界が来たんだ。

その場から離れたくて、うつむいたまま慧君たちとは別方向に走り出した。

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