Fukazaki

１６　彩織 ページ17

Ｂ「慧なんかもう知らないっ...！！！」
Ａ「裏切り者っ！！」

少しの間、沈黙が続いたのを破ったのは、先輩たちのこの言葉だった。


ふ「ちょっ、お前ら...！..はぁ。」
さ「慧、くん...。」
ふ「ははっ..。俺、ほんと最低だな。良いんだよ、俺を見捨てたって。こういうのを自業自得って言うんだ。傷つけてばっかで、最低な奴なんだよ。...離れないの？」
さ「なんで？なんで離れなきゃいけないの？」
ふ「俺はまた彩織ちゃんを傷つけちゃうかもしれない。」
さ「そんなの...当たり前のことでしょう？それに...私にだって、慧君のそばに居る権利はある。」
ふ「...お前も、諦め悪いな。」
さ「だって...私は、慧くんの彼女、なんだよ？好きで付き合ってるんだよ？」



そう言うと、慧くんは何とも言えない顔をして笑った。

こんなに悲しそうな表情を見たのは初めて。

慧くんも、罪悪感で辛くなっちゃったんだ。



でもね。ひとつ、自信をもって言えることがあるの。



何があっても、絶対慧くんから離れない。

好きだから。



大好きだから。





これだけは、約束するよ。

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