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花火大会当日。
大きめの花が散りばめられた青地の浴衣に身を包み、髪もお母さんに可愛くしてもらって準備万端の私は、待ち合わせ場所に向かうべく家を出た。
優太は…友達と見に行ったりするのかな。
ふと立ち止まって、隣の家の優太の部屋を見上げた。
毎年一緒に見に行ったなぁ。
優太は花火を見ながら「すげー！きれー！やべー！」しか言わなかったっけ。
そんな優太を思い出して、思わず笑みがこぼれた。
優太は何も変わらないって言ったけど、そんなの不可能だ。
こうして優太と過ごす時間は減っていくのだろうか。
優太と積み重ねてきた無数の思い出たちは、段々と色褪せていってしまうのだろうか。
その時、後ろから「浴衣似合ってんじゃん」と聞き慣れた声がした。
「優太…」
「ちょっと散歩行っててさ。コイツらの」
優太が連れていたミルクとベリーに視線を落とす。
「そっか。優太は行かないの？花火大会」
「おう。今日母ちゃんがちらし寿司作ってくれるっていうからさ！もう腹ペコペコだよ」
「いーなー！おばさんのちらし寿司美味しいもんね」
「まあな！…てかどした？こんな所で突っ立って。もうすぐ時間だろ？」
「うん…」
「あ、やっぱ俺と一緒に行きたくなったとか？(笑)」
「………」
「冗談だよ！ほら早く行け！紫耀待ってんぞ！」
「うん。じゃあ…またね」
「おう」
１歩、2歩、３歩、と踏み出す。
しばらく歩いて、もういないよねと思って振り返れば、優太はまだそこにいた。
どうしてだろうね。
別にお別れな訳じゃないのに。
こんなに泣きそうになるのはどうしてだろう。
こんなに寂しいのはなんでだろう。
「早く行けよ！(笑)」
呆れたように優太が笑った。
「うるさいな！今向かってるでしょ！(笑)」
こんなふうにずっとこれからも、お互い憎まれ口を叩きあって、笑い合っていられるかな私たちは。
何も言わず、優太が親指を立てた。
“頑張れよ”
そう、どこからともなく聞こえた気がした。
私も親指を立てれば、優太が嬉しそうにうんうん頷いた。
もう振り返らない。
私は、大好きな人に会いに行くんだから。
好きだよと、溢れるほどの想いを伝えに行こう。
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由良(プロフ) - 早く続きが見たいです！少し汗ばむ季節になり体調の変化が激しくなりますがお身体に気をつけてくださいね更新楽しみにしています (2018年6月14日 21時) (
レス) id: 3c3c648279 (このIDを非表示/違反報告)
優美(プロフ) - 紫音さん» 紫音さんコメントありがとうございます。温かいお言葉ありがとうございます！素敵な作品になるよう頑張ります！ (2017年5月19日 21時) (レス) id: 9785910bbc (このIDを非表示/違反報告)
優美(プロフ) - 紫友さん» 紫友さんコメントありがとうございます。あそこは物語の中の一つのキーワードとなる場面なので、そう言って頂けて嬉しいです(*´ω｀*) (2017年5月19日 21時) (レス) id: 9785910bbc (このIDを非表示/違反報告)
優美(プロフ) - ピナパルさん» ピナパルさんコメントありがとうございます。これからも楽しんでもらえるよう頑張りますね！ (2017年5月19日 21時) (レス) id: 9785910bbc (このIDを非表示/違反報告)
紫音 - この作品好きです！面白くて、続きが気になります！！楽しみにしてますね！ (2017年5月18日 22時) (レス) id: 5512444c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優美 | 作成日時：2017年5月12日 1時
