藤崎慧と深瀬彩織

赤 ページ15

ここで、私の記憶は少しの間、途切れている。

その間何があったのか私は知らない。

でも、私はものすごく暴れたのを覚えている。

いつのまにか、強制収容所みたいなところにいた。

「はぁ？なんでわた、俺がこんなところにいるんだよ！」

それで、壁を蹴りまくって、叩きまくって。

止めが入るまで私は暴れまくっていた。

注射をされて。

痺れて･･･。

いや、あれはもう痺れるどころじゃなかったな。

とにかく、痛みに近かった。

落ち着いてきて、足を見たらあざだらけだし、手の甲は血だらけだった。

見てから、一気に痛みがやってきて。

痺れの痛みと殴った痛み、そして･･･。

深瀬というか、藤崎？まぁ、深瀬か。

深瀬を失った痛みがあって。

苦しかった。

苦しみを紛らわすように私は暴れて。

痛くて、痛くて。

傷みが治まったら暴れて。

もし、その日々の事を色で表すなら、私は迷わず『赤』を選ぶだろう。

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