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学校からの帰り道。騒がしい交差点を僕は観察しながら帰る。
喋っている人。笑っている人。喧嘩をしている人。様々な声が飛び交う中、何処からか声が聞こえてきた。
「“もし、僕もあんな風に空を飛べたら――――”」
僕は足を止め、辺りを見渡す。
一部に少ないが人集りがあるのを見つけると自然と足がそこに向かっていた。
類「…………………ショーか」
人集りの中心には小道具に囲まれ、人形を操る少年がいた。見た感じ中学生だろうか。
「“そうして彼は、仲間と共に青空へと羽ばたき、自由を得たのです”」
そういうと彼はぺこりとお辞儀をする。拍手が起こり、一人一人と散っていった。
類「君もショーをやっているのかい?」
小道具を片付けていた少年が顔をあげ小さく頷く。僕はカバンから今朝間違えt……
ゴホン
買った野菜ジュースを渡した。
類「なかなか面白いショーだったよ」
「あ、ありがとうございます」
類「小道具は君が作ったのかい?」
「はい。物を作るのが好きで小さい頃から」
彼はニコリと笑うと再び片付けを始めた。
類「…………………」
取り敢えず面白そうな子がいたよ、とだけ司くんに送っておこうか。
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作者名:希 | 作成日時:2022年6月2日 19時