編集長が恋に落ちた場合【セカロマ】 (ページ22)

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第22話ページ22

今月分の原稿をあげたら行く

そう高野さんと約束をしてからなんとなく緊張してしまって・・・

美咲や進ちゃんに大学でも上の空だと言われ、アシスタントの人にも大丈夫ですか？とまで聞かれてしまった

今月、私はしっかり締め切りを守り原稿を渡した

––––––––だが、これはどういうことだろう

なんでこんなに死にそうになって漫画を描いているのだろう

あ「背景終わりました・・・指示お願いします」

「次、このページの背景お願いします・・・」

「Aさん、こっちのチェックお願いしてもいいですか？」

あ「了解です」

昨日の金曜日、学校が終わった後1人で部屋でマンガを読んでいた時だった

高野さんから連絡が入った

漫画描けるように一式持って丸川に来い。おそらく2日は帰れない、と

え、ちょっと・・・と、言いかけたところでケータイからは無情にも通話終了を知らせる電子音が鳴り響いていた

掛け直しても、おかけになった電話番号は––––––と繰り返されるだけだった

あ「私の原稿、ダメになったとか・・・？」

その不安感から、大急ぎで準備をして丸川に向かう

編集部に着くとみんな死んだ魚のような目をしていた

羽鳥さんが私の顔を見るなり、目を見開き

羽「Aさん、お願いします」

と頭を下げた

あ「い、いえ・・・」

羽「五階の会議室です。案内します」

羽鳥さんの担当作家の締め切りがギリギリなうえ、いつもいるアシスタントさんがいないため相当危ないらしい

そこで高野さんが私を呼んだんだとか

あ「そうなんですね・・・よかった」

羽「編集長から説明ありませんでしたか？」

あ「はい、一式持って丸川来いって連絡だけだったので、私の原稿ダメになったのかと思って・・・」

羽「すみません、こちらから謝ります」

あ「いえ、気にしないでください！」

突然なのと説明が少ないのはいつものことだ・・・