71.密閉3 ページ24
Aは知っていた。
会長派にはパリストンが悪者扱いされていることを。
勿論悪い事をしていない訳ではない。
しかし、彼の根っこの感情はただ“遊びたい”という気持ちだけだということも知っている。
(日頃の行いも影響してるんだろうけど)
メキッ
すると、まるで戦闘中のようなギスギスした雰囲気のなかで先程とは違う音が三人の耳に入った。
「Aさん!無事でしたか?」
「ほっほ、済まんかったの三人共。こりゃ今度修理して貰わんといかんなぁ」
開いたドアの向こう側にはパリストンとネテロ。
恐らくネテロは手っ取り早いと思ったのだろう、向こう側から念でドアをこじ開けたようだった。
義理の、だが親子で考える事は同じだ。
そしてその隣には「心配したんですよー」とどさくさに紛れて抱きつこうとしてくるパリストン。
副会長とその秘書はオフィスラブをしているという迷惑極まりない噂が広がりそうだと思ったAはさっと避けるとネテロに礼を言い、
ついでにモラウとノヴには無礼な返答を謝った。
向こうが此方に謝る言は無かったが、少しバツが悪そうな表情でネテロと部屋に向かっていったのだった。
「なんだか疲れました・・・親ネテロ派って怖いですね・・・」
「ふふ、お疲れ様です」
肩を落として歩くAにパリストンは頭をよしよしと撫でる。
いつもなら振り払っているところだが先程の件で精神が少々蝕まれたAは大人しく撫でられていた。
「で、約束守ってくれますよね?」
「・・・あれは実際ネテロさんが助けてくれて」
「守りますね?」
「・・・はい」
その返事にパリストンは満足そうに微笑む。
実は助けを求めた際助ける見返りとして彼とレストランで食事することを要求されていた。
格段に重くなった足取りで副会長室に二人で戻る。
『現在、天空闘技場は何とも言えない熱気に包まれています。突然現れた超新星は何とまだ子供。それではその様子をご覧下さい』
すると、廊下の上につけられているテレビから聞こえてきたニュースキャスターの声に俯けていた顔をゆっくりと上げる。
「あ」
そこには格闘のメッカ、天空闘技場で素晴らしい活躍を見せるゴンとキルアの二人の姿が映っていた。
暫く目を離さないで見ていたAにパリストンはニッコリと問いかけた。
「Aさん。闘技場、行きたいですか?」
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ろいど(プロフ) - もう更新されないのでしょうか? (2022年4月14日 23時) (レス) id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
0ne329011852w2n(プロフ) - 更新しないんですか? (2020年11月24日 1時) (レス) id: 50bc10663e (このIDを非表示/違反報告)
ジャムパン - 頑張ってください!応援します! (2015年9月11日 22時) (レス) id: 5d93158d32 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - とても面白かったです。更新頑張って下さいね(*^^*) (2014年11月9日 13時) (レス) id: 66e9ad3697 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうたん - パリストンの夢小説珍しいので、うれしいです!! (2014年8月14日 8時) (レス) id: 56d4ac886a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽりか | 作成日時:2014年3月16日 15時