65.泊まり ページ18
鍵を開け部屋へ入ると何とも言えない雰囲気が漂っている。
(しかもやっぱり副会長とは同室か)
いくつもの部屋のなかで一番普通そうな落ち着いた部屋を彼は選んでくれたのだろう
別段変わった所はないのだが何となく大人な雰囲気だった。
キョロキョロと挙動不審気味に見ていると、カーテンを閉めていたパリストンはそんな様子のAに一笑し人差し指をピンと立てた。
「安心してください、ボクはいくらAさんが好きでも手を出すような真似はしませんよ」
会長に殺されちゃいますしね、と笑うパリストン。
(何だか副会長、随分と丸くなったような)
勿論胡散臭い笑みを貼り付けて好きだの何だの真っ赤な嘘を吐いていることは事実だが、
他人をおちょくるような大袈裟な言い方をしていない事にAは気付いた。
それは友人に格上げされたからだろうか
それともただ付き合いが僅かに長くなったからだろうか。
(まぁ、どうでもいいんだけどね・・・)
無駄な考えに浸っても意味はないだろう
そんなことより早くこの疲れた身体を休めたいと思ったAは
さっさと風呂へ入ると直ぐにあがりベッドの中に潜り込んだのだった。
「で、やっぱり副会長も一緒のベッドなんですね」
「ふふふ、恥ずかしいですか?」
「別に」
フイと顔と身体を背ける。
パリストンは朝風呂に入るようでAがベッドに潜り込んだ後すぐに入ってきた。
ベッドは一つしかない為必然的に二人で共有することにはなるだろうと思っていたが何だかとても居たたまれない気持ちだ。
「うーん、こうやってると何だかいけないことをしてる気分です」
「副会長、朝早いんですからつまらない事言ってないで早く寝てください」
「つれないなァ、もう少し遊びませんか?
ボ・ク・と」
「 寝 ろ 」
耳元で言われた言葉を一刀両断する。
沈んでいく意識に身を委ねれば
いつの間にか身近に感じるパリストンの体温は気にならなくなっていた。
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ろいど(プロフ) - もう更新されないのでしょうか? (2022年4月14日 23時) (レス) id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
0ne329011852w2n(プロフ) - 更新しないんですか? (2020年11月24日 1時) (レス) id: 50bc10663e (このIDを非表示/違反報告)
ジャムパン - 頑張ってください!応援します! (2015年9月11日 22時) (レス) id: 5d93158d32 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - とても面白かったです。更新頑張って下さいね(*^^*) (2014年11月9日 13時) (レス) id: 66e9ad3697 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうたん - パリストンの夢小説珍しいので、うれしいです!! (2014年8月14日 8時) (レス) id: 56d4ac886a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽりか | 作成日時:2014年3月16日 15時