62.外出 ページ15
「それにしてもAまで来てるなんてなー」
「仕事関係で寄っただけだったんだけど、結局ゴン達と目的が一緒になっちゃったね」
あの後シルバに礼を言い、ちょうどそこへ来たゼノに連れられてキルアのいる独房まで案内してもらったが、
どうやら向こうは来ている事を知らなかったようでAを見てギョッとしていた。
そのままミルキと少々いざこざがあったものの無事キルアは外出を許可された。
勿論パリストンからは未だ連絡がない。
仕方なくパリストンを置いてAはキルアとゴン達の元へと向かったのだった。
その間聞いているのはキルアの親の愚痴と、
若干分かってはいたがパリストンとキキョウの妙な話である。
「びっくりしたぜ!?うちの母親がさ、見知らぬ人とAは将来うちに嫁ぐんだーって口喧嘩してた!」
「はあ・・最悪・・・・」
その一部始終を身体で大きく表現するキルアにAは顔に手を当て溜め息をつくしかなかった。
どうしてあの人はこうもつまらない事に精を出すのだろうか。
「・・・キル、その見知らぬ阿呆はその後何処行った?」
「ん?じっちゃんに呼ばれてたけど、知り合い?」
「あれが例の副会長です」
「まじ!?」
あれが副会長・・・と続けられた言葉に乾いた笑いしかでない。
二人でそんなつまらない話をしながら長く薄暗い道を歩いていると突然目の前に二つの人影がぼんやりと見える。
キキョウとカルトだ。
キキョウは出て行こうとするキルアを、そしてAまでもを必死に止めるが
「どけよ」
と、キルアの冷たい殺気を乗せて放たれた言葉にキキョウはただ二人の背中を見つめるしかない。
「キキョウさん、有り難うございました」
「礼なんかいいって、早く行こーぜ」
Aは礼だけは言わないといけないと思い軽く頭を下げるが、最後まで言い終わる前にキルアに腕を掴まれ引っ張られてしまった。
「・・・お兄様、お姉様」
「ごめんカル、また今度」
「A!」
「はいはい」
通りすぎる時に見たカルトの表情がいつまでもAの脳裏にこびりついていた。
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ろいど(プロフ) - もう更新されないのでしょうか? (2022年4月14日 23時) (レス) id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
0ne329011852w2n(プロフ) - 更新しないんですか? (2020年11月24日 1時) (レス) id: 50bc10663e (このIDを非表示/違反報告)
ジャムパン - 頑張ってください!応援します! (2015年9月11日 22時) (レス) id: 5d93158d32 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - とても面白かったです。更新頑張って下さいね(*^^*) (2014年11月9日 13時) (レス) id: 66e9ad3697 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうたん - パリストンの夢小説珍しいので、うれしいです!! (2014年8月14日 8時) (レス) id: 56d4ac886a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽりか | 作成日時:2014年3月16日 15時