7.登場 ページ9
ヌメーレ湿原。
全体的に霧に覆われており時々見たこともないような生物が見え隠れするその湿原の上空に、ハンター協会のマークがでかでかと描かれてある飛行船がゆっくりと飛んでいた。
「ようやく着いたようじゃの」
その声に伏せていた顔を上げれば、飛行船はまだ上空に浮かんでいるままである。
「・・・着いてないじゃん」
「着いたようじゃの」
「・・・どうやって行けと？」
「ん？飛んで降りる他なかろう？」
ネテロは依然として目を細めニヤニヤとしているだけだ。
(やっぱりか・・・)
Aはネテロが大人しく自分を試験会場まで送ってくれるはずがない、何かしらしでかすつもりだろうと思っていたのだが
その考えは正しかった。
時間の関係で途中から参加する形になったAをここから降ろすつもりなのだ。
一つ溜め息をつき、Aはしわくちゃになってしまった白い長袖の服を伸ばすと飛行船の端へと足を運んだ。
「仕方ない、降りるか」
「その萌え袖とやらに手ぇ引っ掛かけて着地失敗すんなよー」
「はいはい分かってるよ。ネテロさんも飛び降りる時には十分注意してね、もう歳なんだから」
憎まれ口を叩きながらAははるか下に見える地面に向かって飛んだのだった。
「よっ」
ドンッ！！
鈍く重い音がざわざわと騒がしい受験生たちの真ん中で響く。
「なんだなんだ？」
「この女真上から落ちてきたぞ・・・！？」
「おいおい、足どうなってんだよ・・・！」
口々に驚愕の言葉を発する受験生。
確かにほとんどの一般人は空高くから着地した人間を見て驚かないはずがない。
ざわざわと騒がしかった試験場は、さらに騒がしくなるがAは気にもとめない様子で一次試験官のサトツに言った。
「サトツさーん私飛び入り参加でお願いしまーす」
「え？ああ、はい承知しました。406番です。では参りますよ」
その言葉を合図に受験生が一斉に走り出した。
中には受験生で女というのは珍しいのかちらちらと此方を向く人間もいたが。
サトツはネテロからあらかじめAが途中参加することを聞いていたらしく何も言わなかった。
そして、あの登場の仕方を見た受験生たちも誰も文句を言わなかったのである。
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ヒソカ、イルミ大好きのキリト(プロフ) - 面白いですねー！次回楽しみにしてます！！！！ (2014年11月1日 18時) (
レス) id: 9269459fba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽりか | 作成日時：2014年3月9日 19時
