【H×H】世界はいつも無感情 (ページ6)

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4.電話ページ6

「Aさん、電話鳴ってますよ？」

「・・・分かってます」

ハンター協会本部。

副会長のデスクとは別にある秘書の為のデスクに置かれている電話の音が室内に鳴り響いていた。

Aは、書類を取りにいったり来たりしながらいかにも忙しい感を出し電話に出ないようしていたのだが、
天下の副会長様はわざとそうやっていることに気付いていたらしい。

しかも、気付いていながらわざと声を掛けてきたとはかなり捻れ曲がった性格である。

(まぁ人のこと言えないけど)

何か良くない事が起きるぞと言っているような喧しい電話の受話器をAはしぶしぶ取ったのだった。

「はい、こちらハンター協会本部でございます」

『あーもしもし？ワシじゃが。秘書の仕事はどうかのう、うまくやってるか？』

「・・・わざわざそれを言いに電話鳴らしたの、ネテロさん。しかもまだ一週間しかたってないんだけど」

受話器の向こうから聞こえてきたのはハンター協会会長、ネテロの声だった。

Aは一気にお客様用の声を地声にする。

この秘書という仕事は主な活動を上司の身の回りの世話、メールや電話の応対、来客の接遇、スケジュール管理、書類・原稿作成などとするのだが

中でも電話の応対はここ最近一番厄介だとAは気づいた。

ことあるごとに親パリストンのファンコールや、逆に反パリストンの苦情や何やらが沢山くるのだ。

「まぁ、ネテロさんでよかった・・・のかな」

「ん？何の話じゃ？」

「別に。それで？用事は何？」

「おお、そうじゃったそうじゃった。Aよ、ハンター試験を受けに行くのじゃ」

いつの間にか隣で聞き耳をたてていたパリストンが軽く吹き出したのを、Aは見逃さなかった。