【H×H】世界はいつも無感情 (ページ45)

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43.自由2 ページ45

キルアがイルミの言葉を大声で遮った。

受験生も試験官もじっとただその成り行きを静かに見守っていたのだった。

「・・・ゴンと、Aと、友達になりたい」

「──────、」

「もう、人殺しなんてうんざりだ・・・」

その言葉は弱々しく、しかししっかりと痛々しいほどの意味を持って静寂に包まれる会場に響き渡った。

Aは目を閉じる。

「無理だね」

イルミの声が静寂を破る。

キルアもそう言われる事を覚悟して言ったのだろう。
びくり、と身体がその言葉に反応していた。

その様子を大人しく見ていられなくなったレオリオは審査員に止められながらも口を開く。

「ゴンとAと友達になりたいだと！？寝惚けんな！とっくにお前らダチ同士だろーがよ！！な！」

バン、と背中を叩かれ同意を求められたことにより口を開こうとすれば
それはイルミに妨げられてしまった。

「あれ？Aも？でもAなら分かってくれるよね？そんな無駄なもの、感情なんか必要ないって。オレたちは似た者同士なんだからさ」

頭を金棒で殴られたような衝撃が走る。

「イルミ」

思わず殺気を放ちながらそう言えば

「あぁごめんごめん、ちょっと無神経だったかな」

とイルミは謝るがそれは自分に対してタブーな事を言ったからの謝罪であり

彼はきっとゴンに対しては何の感情も持っていない。

「よし、ゴンを殺そう」

「！！」

人差し指をピンと立てさらっと言うイルミに受験生をはじめネテロもキルアも全身が強張った。

しかしそんな人々をも無視するイルミは迷いもなく扉へと向かう。

その瞳は何を映しているのか分からない。