42.自由 ページ44
その後クラピカ、ポドロ、ポックルたちの試合が幾つも行われた。
キルアはポックルと戦うに値しないと感じ破棄した為
現在が本当のキルアの試合だ。
「・・・」
キルアは相手の力量をはかるかのようにゆっくりと近づいている。
相手はギタラクルという針を顔面に刺している受験生で、恐らく念能力者でありその痛々しい顔も念で変えているのだろう。
しかし何処かで感じたようなオーラの流れにAは彼を目を細めじっと見つめた。
すると、戦闘開始の合図と共にギタラクルがその針をとったのである。
ボキボキと顔を変える彼は
やがてサラサラな黒髪と深い闇を映す眼を持った普通の人間へと変わった。
「久しぶりだねキル」
「・・・・！！」
その瞬間キルアは絶望の淵に追い込まれたような、そんな表情になる。
「・・イル・・・」
「A知ってんのか？」
少し驚いた様子でボソリと呟いた
Aの言葉を聞き逃さなかったレオリオは聞いた。
それにAはゆっくりと頷き口を開く。
彼は、
「彼はイルミ=ゾルディック。暗殺一家の長男で恐らく、キルがその弟なんだと思う」
あの怯えようを見ればその事実は明らかだ。
レオリオはぎょっとした様子でイルミを見た。
「キルアの兄貴・・・！？」
「やぁ、Aも久しぶりだね。少し背が高くなった？」
「変わんなくない？」
彼は、Aが幼い頃からの知人であった。
ネテロの知人がゼノであった為
必然的にAはゾルディック家に通っていたのである。
キルア以外は家族全員に会っていたAだがそのなかでもダントツに会っていたのがイルミだ。
何か自分と同じものを持つような彼とは仕事のパートナーになったことがあり、
イルミに依頼され暗殺を手伝った事もある。
3次試験前ゴンとキルアに暴露した“何でも屋と称した裏の商売”というのがこれだ。
「まさかキルがハンターになりたいと思ってたなんて」
「別に・・・なりたかった訳じゃないよ」
俯いて絞りだした声は震えている。
ゼノにイルミは弟に歪んだ愛情を向けていると聞いていたがしかし、それがキルアで、しかもトラウマのようになってしまっていることにAは眉間に皺を寄せる。
(なにもキルにここまでしなくても)
跡継ぎ、弟、大事なのは分かるが人の権利を無視したような行動はいくらなんでも行き過ぎだ。
目の前のキルアは拳を握る。
「オレにだって、欲しいものくらいある」
「ないね」
「ある！！」
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ヒソカ、イルミ大好きのキリト(プロフ) - 面白いですねー！次回楽しみにしてます！！！！ (2014年11月1日 18時) (
レス) id: 9269459fba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽりか | 作成日時：2014年3月9日 19時
