【H×H】世界はいつも無感情 (ページ41)

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39.奇術ページ41

「第２試合目、ヒソカ対A！」

「Aならいける！！やれ！ヒソカのヤローをぶっ殺してしまえ！！」

「レオリオ、殺したら不合格だよ」

「否定はしないのだな」

(末恐ろしい・・・)

Aたちのやり取りを聞いていたサトツはそう感じられずにはいられなかった。

第２試合目のヒソカとAの試合はゴンのいない状況で始められ、また試験官にも受験生たちにも一番に注目される試合であった。

ポドロなどのAの実力を知らない人間はAがどんな戦いをするのか

知っている人間はヒソカがどんな風にやられるのかと楽しみにしているのである。

「A・・・キミと戦ってみたかったんだ◆」

「え？そうなの？」

だから舌なめずりしていたのかと合点のいったように返せば彼はくつくつと笑うだけだ。

お互いフィールドに足を進めちょうどいい間隔をとればピタリと止まる。

「それでは戦闘開・・・」

始、と審判が言う前に既に二人は足を止めたその場にはいなかった。

「「なっ！？」」

「・・・！」

その一瞬の出来事に一同は目を見開く。

目の前ではヒソカとAの激しい攻防が繰り広げられていた。

しかしそれもむやみやたらな攻撃、防御ではない。

(やっぱりヒソカは単純な攻撃じゃ駄目か)

今のところ肉弾戦だけで戦っているがやはり彼は強い。
Aは一旦口角を上げているヒソカからバッと後ろに飛び退きナイフを出す。

「ククク、隙だらけだよ◇」

勿論ヒソカはその隙を逃さず間髪をいれずに武器であるトランプを凄い速さで投げてきた。

ある程度予想していたことだ。

それをナイフで全て弾き落とすと今度はAの攻撃。
また投げられるトランプを巧みにかわしながらヒソカの後ろへ回り込む。

しかし彼もまたAが回り込んで攻撃することを読んでいる筈だ。

それを逆手に取るのだ。

「！」

トランプをヒソカに向かって投げる。

Aは弾き落とした筈のトランプをこっそり袖に隠していた。

ナイフで攻撃するだろうと読んでいたヒソカは予想外の攻撃に目を見開き、その一瞬生まれたその隙に
Aは拳でヒソカをフィールド外へとふっ飛ばしたのだった。