【H×H】世界はいつも無感情 (ページ40)

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38.最終ページ40

最終試験会場に響くネテロの声を、残りの受験生はただじっと聞いていた。

異国の雰囲気を醸し出し所々汚れがついているその試験会場は
今までのどの会場よりも普通で誰も何が行われるのかなど予想もつかない。

そんな彼らの心の内を知っていながらネテロは心の中でひょひょひょと笑う。

そして力作の組み合わせ表を受験生たちに披露したのだった。

「1対1のトーナメント形式、死に至らしめた時点で即不合格。相手に参ったと言わせれば勝ちじゃ」

(最低だ)

最低、というのはネテロに向けられた言葉である。
勿論試験官も同じような事を思っただろう。

この組み合わせ表に、というかこの試験自体にネテロの性格の悪さが現れ出ているのだ。

(えーと、私はヒソカとだね)

トーナメント表を確認してみればAの番号と名前はヒソカと一番初めに戦うこととなっていた。
負ければクラピカと、更に負ければポドロとである。

「・・・ドンマイ、A」

「キルそれ慰めてくれてる？」

そしてちらりとヒソカの方を向けば舌なめずりをしていた。

はじめにハンゾーとゴンが戦うことになったのだった。
しかし力の差は歴然でゴンが一方的に攻撃されている。

会場はピリピリした殺気に包まれ、
隣でその様子を見ていたレオリオとクラピカは今にもフィールドへ飛び出していきそうだ。

少し酷い言い方だが
いくら真っ直ぐなゴンでもこうも力の差があるとどうにもできないだろうとAは思った。

「それは困る！」

しかし次に発せられたゴンの大きな声にAのみならず全員が一瞬固まり

「足を切られちゃうのは嫌だ、でも降参するのも嫌だ！」

「テメー！自分の立場分かってんのか！！」

そして笑い出したのだった。

ゴンのその類を見ないほどの素直さにAも耐えきれずヒソカと顔を見合わせて笑う。

「ゴンらしいね」

「あれじゃ彼も負けを認めざるを得ないねぇ◇」

あの後意識を失ったゴンだが、ハンゾーが負けを認めゴンの勝ちとなったのだった。
キルアは若干腑に落ちない表情ではあったが。

「どうしたの？」

「あんな決着のつけかた有り？」

ハンゾーを指差しながら眉間に皺を寄せて言うキルアに
なんだ、彼も先程の自分と同じことを考えていたのかとAは思った。

「まぁ力が全てじゃないってことなんじゃない？」

「ちぇ、結局お前も分かんねーのかよ」

キルアは頬を膨らませた。