【H×H】世界はいつも無感情 (ページ34)

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32.条件ページ34

A、クラピカ、レオリオの三人は足下さえ見えないくらいに暗くなった夜の森をなるべく周りに気を配りながら歩いていた。

先程は円を止めようと言っていたAだが、同盟を結んだからには使わざるを得ない。

自分のせいで他の二人を危険な目に遇わせるわけにはいかないのである。

「随分と歩いたようだが・・・今のところ他の受験生には会っていないな」

「ホントにいんのかよ受験生」

レオリオは既にぐったりとした様子だ。
おそらくだが彼はかなり短気な性格だろう。

「まぁ根気強くプレート探していかなきゃね」

彼の背中をぐっと押してやりながらそう言えばレオリオは何でそんなに体力あるんだよ
と言いたそうな顔を此方へ向けたのだった。

闇も深くなるにつれAは円の範囲を広げ
他の二人はもう受験生には見つからないだろうと少し気を抜いた。

ハンターではその行為が致命傷に繋がるのだが今回は少しくらい気を抜いても支障はないだろう。

と言うかむしろ定期的に気を抜かないと頭がおかしくなってしまいそうである。

しかし、そう考えていた直後に円に反応があった。

「！」

「ん？どうしたA」

クラピカとレオリオは足を止め周囲をキョロキョロと見回すAを不思議そうに見やる。

二人の穏やかな心境とは正反対にAは若干焦っていた。

(ヒソカ・・・まずい、私だけなら何とかなるだろうけど二人は・・・)

円に反応した人間はヒソカであった。

間違いない、そして断言出来る。
湿原の時感じたようなあんな気持ち悪い殺気を忘れる筈がないのだ。

「クラピカ、レオリオ今すぐここを離れよう」
「「え？」」

理由も教えずAは二人の服を引っ張って急かした。

「やぁ◆」

「「ヒソカ！？」」

(う、遅かったか)

が、しかし一歩遅かったらしい。

自称奇術師の変態ピエロは木にもたれ掛かりトランプをピッとあげると此方を見て薄く笑む。

戦闘にすぐ入らないその様子を見ると狙いはプレートか彼らの成長を見にきたか、

どちらかだ。

「こんな所で会うなんて奇遇だね、そしてAとボクは赤い糸で結ばれてるのかも◇」

(白々しい。自分の方から近づいた癖に)

Aはそうは思いながらも自分もヒソカに対してあたかも知らなかったように振る舞うことにしたのだった。