29.狩人 ページ31
「ケツいてー」
「皆、3次試験通過お疲れ様」
「A！」
残り時間わずか一分をきったところでゴンたちはゴールした。
皆ぼろぼろだ。
余程大変だったのだろう。
Aはゴンたちに近づくと服についた汚れを軽くはたく。
「すまないなA」
「いえいえ」
「ったく、ホントおっさんじゃなくてAが一緒だったら良かったのにな」
「キルア、さっきからその事ばっかり言ってるよ」
ゴンがそう言えば頭の後ろで手を組んでいるキルアはぎょっとした顔になり、
何故か赤くなってゴンの頭をバシンと叩いていた。
「このクジで決定するのは狩る者と狩られる者」
久々に外へ出て感じる空気は新鮮で、さらに空の天気は気持ちが良い快晴だ。
絵の具で塗ったような真っ青な空は果てがない。
そんななか告げられた4次試験の内容は自分が引いた番号と同じ番号のプレートの人を狩るというものだった。
しかしAは自分の引いたクジを見て首を傾げる。
「？試験官、引いた番号が自分の番号だった場合どうするんですか？」
その時試験官の顔がにやりと歪んだのをAは見てしまった。
「その場合は狩らなくていいかわりに他の人のターゲットとなってしまう。406番A、誰がとっても3点分だ」
受験生の獲物を定めたような視線が一気にAへと集まる。
それもそのはず、ターゲットが分からないままの3点か分かっている3点かでは勿論のこと誰だって後者を選ぶだろう。
Aはそうですかと返した後踵を返せば途中でレオリオに肩をぽんぽんと叩かれた。
慰めにすらなってない。
3次試験の場所へ移動する為に船に
乗った受験生は既に自分の番号を隠していた。
しかしAは先程全員に自分が3点だとばれてしまった為プレートはつけたままである。
鋭い視線を浴びながら船上を歩いているとゴンとキルアがプレートを見せっこしている様子が見えた。
「ゴンとキルアは何番だった？」
見せっこしているプレートを上から覗きこむように見ながら声をかければ二人はバッと此方を向く。
「なんだAか、焦ったー」
「オレ44番だったよ」
「うわぁ・・・」
思わずそう言うとゴンは苦笑いした。
「まぁ、お互い頑張ろうね。私全員敵だから」
「うわAぜってー死ぬなよ」
「頑張ろうねA、キルア」
三人はそれぞれ動き出す。
海の香りを巻き込んだ風がAの髪を優しく撫でたのだった。
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ヒソカ、イルミ大好きのキリト(プロフ) - 面白いですねー！次回楽しみにしてます！！！！ (2014年11月1日 18時) (
レス) id: 9269459fba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽりか | 作成日時：2014年3月9日 19時
