【H×H】世界はいつも無感情 (ページ4)

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2.仕事ページ4

暖かい日差しが射し込む副会長室。

そんな室内には花瓶に入れられた大きな花がいい香りを充満させている。

Aは隣で次から次へと書類に目を通し、何やら書き加えているらしいパリストンを見やった。

(結構若いのに頑張ってるなぁ)

そう言う本人も二十歳と若い方だが
こうやって改めて若い人の働きぶりを見ると何をやっているんだと思ってしまうのだ。

Aはそんなことを考えながらも、彼の気休めに少しでもなればとブラックのコーヒーを用意しデスクに置いた。

するとパリストンの忙しく動いていた手がピタリと止まり、Aの方を向く。

「わざわざありがとうございますAさん」

「いえ、何か手伝いましょうか」

「うーんそうだなァ、女性にこんなキツい仕事を任せる訳にはいかないしなぁ」

この人は何を言っているのだろうか。

秘書は性別関係なく上司の手伝いをするものだろうに。

「いや、キツい仕事の為の秘書なんで何かドサッとくださいドサッと」

両手で大きく円を描いて表現するAにパリストンは胡散臭い笑顔を崩し目をしばたかせる。
そして困ったように茶色がかった自身の髪をわしゃわしゃとかき混ぜた。

「...えーと、それじゃあこれからのスケジュールを」

「分かりました」

一瞬彼の様子に引っ掛かりを覚えたが、そこで考えても仕方ないと切り替えることにした。

「今日のスケジュールは午後一時から二時まで十二支んの会議、それから六時までハンター試験の試験内容についての話し合いでそれが終わると九時まで資料の確認、その後スワルダニシティの高級レストランで食事ですね。以上です」

「Aさんと、食事」

「.....私は貴方の秘書、というポジションですのでそういった事はどうかと」

まさか食事に誘われるとは思っていなかったAは答えるのに少し遅れてしまった。

それを見逃さなかったパリストンは腰を上げて動かずじっと目を見据えているAの頬に優しく手を当て、此方の様子を伺っている。

Aはこの時瞬時に理解した。

自分はパリストンに遊ばれているのだ、と。

多分自分が彼に落ちるかどうか、というものである。

(うーん、これはいい話が全く無ないはずだよ)