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俺と一緒にいるようになってから、めいはあまり腕を傷つけなくなった。多分、俺とすることで痛みが感じられるようになったから。
俺としてるあいだだけは俺に求められてるって信じられるようになったから。
だから、自分を自分で消そうとしなくて良くなったんだ。そうやって何かを許さなくても、彼女は過ごせるようになった。
俺はそのめいの分まで補うかのように切りつけた。腕だけじゃなく、太ももや、お腹まで。めいを抱けば抱くだけ気持ちよくって、幸せで。
その幸せが俺にそうさせた。
だけどめいは、そんな俺の傷をそっと撫でて
「きれいだね」
ってそう言う。綺麗なんかじゃないのに。
だけどめいがそう言ってくれるから、まだこの世界も捨てたものじゃないと思える。
今日も俺たちは2人で、傷を舐めあってこの世界にとどまった。
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作者名:めい | 作成日時:2019年10月27日 23時