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「み、美水ちゃんっ。昨日のさ、道徳の話に関連するんだけど……」
昨日のことを思い出すと、声が突っかかる。黒板消しで下手くそな落書きを消している美水ちゃんは不機嫌そうだったけど、こっちを向くと爽やかな笑顔を浮かべた。
「家族の話？ あ、血液型の話だったりする？」
「うん。血液型のあれって、例外あるのかなって。例えば、O型両親からB型が産まれる、だとか……。昨日読み返してたら、ちょっと気になっちゃったんだよね」
さり気なく話題を振ってくれた美水ちゃんに心の中で感謝をして、なるべく自然な形で尋ねた。うまくいったと思うけれど、意外と顔とかに出てないか心配だ。鏡があったら覗いてみたい。
美水ちゃんは、勘が鋭い。頭が良いから瞬時に全てを悟っているという可能性も無くはないけど、所詮は小学五年生だ。さすがの学年トップでも、そんなことができるとは考えづらい。それに、美水ちゃんだって毎回テストで百点をとっているわけじゃないのだ。
……絶対に、ばれたくない。わたしのママが浮気したなんて思われたら、わたしまで『浮気女』と言われることになってしまうかもしれない。本当に浮気したかなんてわからないけど。
美水ちゃんは、悪意の無い笑顔でサラッと答えた。その返答は、わたしの心に矢のように突き刺さってきた。それは決して、恋とキューピットみたいに幸福なものではない。
「例外なんて、あるわけないよ。O型の両親だったら、子供は絶対にO型になるんだよ」
きっと、パパとママの子供じゃないのは、わたしだけなんだろう。遥希姉さんも、遥斗も、きっとパパとママの子供だ。わたしだけ、きっと、血は繋がっていない。もしくは、親戚の子。
耳でわあんと音がなって、教室が静まり返った。みんなの動きが速く見える。鬼ごっこをする男子たちが口をパクパクさせていた。
ああ、あああ、あああああ。待って。わかんない、聞こえない。え、み、すいちゃん、喋ってる？ 聞こえない。どうして、なんで。ああああああ。
「ん、遥花ちゃん。大丈夫？ ぼーっとしてた？ 朝の会、始まるよー。聞こえて____」
「き、聞こえてるよ。ごめん。ちょっとだけぼーっとしてたから。席戻るね、ありがとう」
席に着く。今日は、自由帳を持ってきていない。というよりかは、家に置いてきてしまった。パパとママと話すのが怖くて、トーストを咥え、急いで出て行ってしまったからだ。道端で本を読み時間を潰した記憶が蘇る。
家帰ったら、どうしよう。
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sekai(プロフ) - 00さん» 感動してくれたようで、とてもよかったです。こちらこそ、読んでくださってありがとうございました。 (2022年3月19日 21時) (
レス) id: fc98665df2 (このIDを非表示/違反報告)
00 - 感動した！最後の主人公の台詞、道徳のストーリーの台詞と同じでも、気持ちを伝えられたから良かったなって思いました。作品を作って頂いてありがとうございます!! (2022年3月19日 21時) (レス) @page6 id: 708338e771 (このIDを非表示/違反報告)
sekai(プロフ) - ねこもちのいえさん» こちらこそ、素敵なイベントありがとうございました。面白いと言ってくださって嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2022年3月19日 15時) (レス) id: fc98665df2 (このIDを非表示/違反報告)
ねこもちのいえ(プロフ) - イベント参加ありがとうございました！浮気じゃなくてよかったけど、悲しいお話ですね....小学校のときにその話をされるとは....面白かったです！ (2022年3月19日 14時) (レス) @page6 id: 4975fb6260 (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - sekaiさん» お返事ありがとうございます。少しひっかかりましたがそう言うことだったのですね。お手数かけてしまいすみません。あと、よく読んでくださっているなんてとても嬉しいです！ありがとうございます (2022年3月18日 19時) (レス) id: 70ac09f88c (このIDを非表示/違反報告)
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