# 𝟶 𝟸 ページ2
2-C
( えっと…次は、移動教室だよね? )
次の授業は移動教室、情報室にクラスの皆が向かう。私は柳瀬くんを誘おうとしたけど、なかなか喋るタイミングが見つからない。
「Aー!一緒に情報室に行こー!」
萌絵が私のとこまで小走りで来る。私がいいよと言うと…萌絵は私の腕に手を組んで歩き出した。
『あ、あ…うん、一緒に行こう。萌絵。』
「やったぁ!じゃあー、腕組んでいこーっと!」
『もうw 萌絵ったらw』
私と萌絵は一緒に情報室に向かう。柳瀬くんも一緒に誘えばよかったのに、私ったら本当に馬鹿だなぁ…
( もう、私のバカバカ!恥ずかしいとか関係なく、そこは柳瀬くんを誘うとこでしょ! )
私は心の中でずっとそんな事を叫んでいた、なるべく顔に出ないように。萌絵に悟られないように。
情報室
授業が始まって、柳瀬くんと隣の席に座る。今日はパソコンを使って勉強をするみたいで、機械を使うのがあまり得意ではない私には苦痛の授業だ。
私が机に頬杖をついて、悩んでいると…柳瀬くんが「何か分からないとこでもあった?」と私が使っていたパソコンの画面を覗いた。私は『うん、実は…』と分からなかったとこを柳瀬くんに聞く。
「あ、それは…ここをこうすれば、出来ると思う。俺が見てるから、今俺がしたこと真似してみて?」
『う、うん…分かった。えっと、こうで合ってるのかな?』
私は柳瀬くんの顔を見て、合ってるか表情を伺う。すると柳瀬くんは、目を細めてニコッと笑う。
「うん、合ってるよ。そんな不安になんなくて大丈夫だってw」
柳瀬くんが私の背中を、ポンッと優しくたたいて…私が安心する言葉をかけてくれた。私は柳瀬くんの笑顔が見れたのと、優しい声掛けをしてくれたのが嬉しくて、頷いた後下を見る。
( ど、どうしよう…柳瀬くんから褒められたの、嬉しすぎて顔上げられない…絶対今、顔赤いと思うんだけど! )
「櫻内さん?」
『あ、ごめんね!柳瀬くんから褒められたの嬉しくてw』
ここはもう正直に言っちゃえ!と思い、柳瀬くんに私が思っていたことを言う。すると柳瀬くんは、「ありがとう、凄く嬉しいよ」と笑ってくれた。
授業終わり
「あ、待って…櫻内さん。」『ん?柳瀬くん、どうしたの?』
「一緒に教室までさ、二人で行かない?」
えっ、ちょ、柳瀬くん!?そんな事急にされるの、心臓に悪いからやめて…!!
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作者名:さえこ。 | 作成日時:2022年8月7日 19時