◇在りし日の想い�� ページ23
リリアside
ﾏﾚｳｽ｢どういう意味だ？｣
クロウリーが告げた言葉に、マレウスが立ち上がり問い詰める。
その様子を横目に、わしは先程100年振りに見た少女の姿を思い返していた。
……Aのことは、よく覚えている。
かの王国の第一王女である彼女は、若くして学問や魔法の才能を開花させ、美しい容姿と歌声は国民みんなから愛されていた。
その噂は隣国や遠き貿易相手だった茨の谷にも流れ、来賓として誕生パーティーに参加した時に見た人の多さは相当だった。
ざっと数えて1000人程が居る会場で、注目や様々な視線を浴びながらも、謙虚さを兼ね備え毅然とした態度で振る舞う少女。
まだ関係の浅い他国の王族相手でも臆することなく、笑顔を振りまくその姿に当時のわしはいたく感心したものだ。
『リリア様〜！』
ﾘﾘｱ｢おぉ、A。また会ったのう｣
『ねぇリリア様、先週お話して下さった東洋物語の続き、教えてくださいな』
ﾘﾘｱ｢くふふっ…あいわかった｣
品行方正で驕らず、優しい性格もあってか、交流パーティで知り合ったわしにもよく話しかけてくれた。
わしにとっては孫ができたようで、あの子と話す時間は至福のひとときだった。
中でも一番鮮明に蘇る記憶は……そう。
『あなた、お名前は？』
｢……マ、マレウス｣
『マレウス…、私はA』
｢A………綺麗な名だ｣
マレウスが、はじめてAと出会った時。
マレウスの目には、陽だまりのように輝くあの子しか映っていなかったのだろう。眩しそうに目を細め、微笑む姿は今でも忘れない。
当時は周りの人間たちと距離をとっていたマレウスが、唯一心を許した人物。
そしてマレウスの、最初で最後の想い人…
それが、わしとマレウスが知るAだった。
だが、先刻わしの目に映ったあの子は…昔とは少し………否、随分と変わってしまっていた。
白一色の彼女の魂が、黒く淀んだ何かに蝕まれているのが、わしにはわかった。
そしてその正体に、マレウスが気付いていることも。
Aのことになると周りが見えなくなるのは昔から全く変わらず、100年前も度々嫉妬を拗らせては手を焼いていた。
それほどまでに彼女を愛する心を、わしは長年傍で見守り続けてきた。
だから、これからわしが…“リリア”がどうするべきなのかはわかる。
ﾘﾘｱ｢マレウスや｣
……わかってしまうのだ。
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Rin(プロフ) - 続きが楽しみです 更新頑張って下さい (2023年4月20日 2時) (
レス) id: a3128229fd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(元あやりん) - 若様ｧｧｧ！若様と誓いしていたなんて。おっし若様、アタシと結婚しまs((若様好きすぎて暴走してしまった。すk(((殴。すいません面白いですし、好きです (2021年10月22日 21時) (レス) @page21 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
三月アリス - めっちゃ好きです！マレウス様かわいい！ (2020年9月7日 10時) (レス) id: 742f423e47 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2020年9月3日 17時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え？めっちゃ好きです！！更新楽しみに待ってます！ (2020年8月20日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毘張 | 作成日時：2020年7月30日 1時
