17話 ページ22
ﾏﾚｳｽ｢どういう意味だ？｣
クロウリーの最後の一言に、僕は思わず立ち上がり声を上げる。
ｾﾍﾞｸ｢わ、若様…｣
僕の左隣に座るセベクが、心配そうに声を掛けてくる。
しかし僕は、Aの命運が関わる話を前にして、いつもの冷静さなどとうに無くしていた。
ｸﾛｳﾘｰ｢すみません、少し言葉足らずでした。
とりあえず落ち着いて……続きを話しますから｣
クロウリーが宥めるように手で制し、一呼吸置いて、僕も腰を下ろす。正直疑念が募るばかりだが、ここで争ってはそれこそAに危険が及ぶかもしれない。
拳を強く握り締め、静かに目を伏せる。
ｸﾛｳﾘｰ｢コホン……正確には、魔法を“使い過ぎる”と非常に危険な状態に陥るということです｣
ﾏﾚｳｽ｢…確かにAの魔力も人間と等しく限りあるものだとは分かっている。
だが、彼女はブロットに特別耐性が無いわけではない。何故それが生死に関わる？｣
ｸﾛｳﾘｰ｢…彼女の中にある膨大な魔力。あれは100年の間に少しずつ蓄えられていたものであり、呪いが解けていない今、
もちろん本質は魔力ですから、魔法を使えば消費されブロットが生み出されます。
つまり…魔力を使い果たせば、彼女は再び眠りに落ち………二度と目覚めることは無いでしょう｣
ﾏﾚｳｽ｢…｣
二度と目覚めることは無い＿＿＿＿＿＿
その言葉の重みがまるで首枷のように取り巻き、項垂れた頭が上がらない。
すると、今までのやり取りを静観していたリリアがクロウリーを見据える。
その目は決意に満ち、そしてどこか哀愁を漂わせていた。
ﾘﾘｱ｢要するに、あの子の魔力が尽きる前に呪いを解く方法を見つけ出せば良いのじゃな？｣
ｸﾛｳﾘｰ｢その通りです｣
クロウリーの返事を聞くと、リリアは僕の背中に手を添え｢マレウスや｣と声を掛ける。僕は呼び掛けに、ゆっくりと顔を向けた。
ﾘﾘｱ｢これは転機じゃ、マレウス。
長年苦しみ続けたお主に、
お主とあの子…2人の未来を取り戻すのじゃ｣
｢わしも協力するぞ｣と笑顔を向けるリリアに続いて、それを聞いたセベクとシルバーも｢お供致します｣と強く頷く。
ﾏﾚｳｽ｢…………ありがとう｣
僕の消え入りそうな声が、少しだけ暖かくなった学園長室に滲んでいった。
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Rin(プロフ) - 続きが楽しみです 更新頑張って下さい (2023年4月20日 2時) (
レス) id: a3128229fd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(元あやりん) - 若様ｧｧｧ！若様と誓いしていたなんて。おっし若様、アタシと結婚しまs((若様好きすぎて暴走してしまった。すk(((殴。すいません面白いですし、好きです (2021年10月22日 21時) (レス) @page21 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
三月アリス - めっちゃ好きです！マレウス様かわいい！ (2020年9月7日 10時) (レス) id: 742f423e47 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2020年9月3日 17時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え？めっちゃ好きです！！更新楽しみに待ってます！ (2020年8月20日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毘張 | 作成日時：2020年7月30日 1時
