プレイボーイと酔っ払いヌナ (ページ6)

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新作カクテルと優しい味ページ6

フラフラと歩き回り、無意識に、繁華街へ来ていた。

駅前の居酒屋の裏に、これまた居酒屋。

駅前の居酒屋よりは凄く小さいし、店員さんも凄く少ないけど

今はこの店がどこよりも落ち着く。

店を経営しているオーナーはナムのお父さんで、

店員もナムと数人のアルバイトだけ。

お客さんも顔見知りが多いのは

一回くると、大体が常連さんになるからだ。

おじさんは人柄がよくて、明るくて元気で、誰からも好かれる素敵なオーナーだ。

私が居酒屋に入ると、ナムは驚いた顔をして駆け寄ってきた。

NJ 「こんな時間にどうし.. 」

言いかけて、いきなりナムは驚いた顔をした。

NJ 「ユンギ先輩か .. 」

そう言い、少し溜息をつき、私の頬を触った。

無意識に溢れた私の涙で、ナムの手は少し濡れていた。

個室に入り、ナムに事情を説明した。

私の話を、うんうんと頷きながら、ナムは黙って聞いていた。

NJ 「そっか .. そんなことがあったんだ、。」

ナムは少し黙って、何かを思い出したようにハッとすると、

NJ 「ちょっと待ってて」

そう言って立ち上がり、パタパタと小走りで何処かへ向かった。

５分もしないうちに戻ってきたナムの手には、グラスと、それに入っている透明なもの。

NJ 「これね、新作のカクテル。バーで働いてる友達から、プレゼントしてもらってさ。

俺まだ飲んでないんだけど、A飲んでみて？」

そう言ってグラスを私に差し出した。

『あ.. ナム、私お金... 』

NJ 「俺の奢り。」

ナムはニコッと笑うと、メニューを持って個室を出た。

ナムから受け取ったカクテルを一口飲むと

一気に、甘い香りと優しい味に包まれた。

一口飲んだだけでも、その美味しさに頭がフワフワした。

一口、もう一口と飲み進めるうちに、グラスに入ったカクテルを全て喉に流し込んでいた。

グラスが空になった頃にはもう、完全に酔いが回っていて、

ふらつきながらも、歩いて店を出た。

繁華街をうろつくと、周りは酔っ払いとか、ホステスとかが沢山いて、

家に帰ろうと、駅へ向かった。

その途中、人混みの中に黒髪の男の子を見つけた。

見るからに高校生くらいの年齢なのに、こんな夜の繁華街で何をしてるんだろうと、興味本位で近づいた。