何が宜しくだ ページ2
一先ず家にはついたものの ..
「 どうすりゃいいんだ .. ？ 」
リビングにある、真っ白なベッドにそいつを寝かせた。
「 おーい。起きろって。 」
そいつの鼻を摘むと、
『 フゴッ .. 』
豚みたいに鼻を鳴らすから、
くくく、と静かに笑った。
「 ヌナ、起きて？そんな無防備じゃ襲っちゃうぞ 」
そいつの耳元でそう言うと、
『 いいんですか先輩！.. 失礼しまああす！！ 』
そう言って、俺の首にガバッと抱きついてきた。
『 先輩思ったよりごつ .. わあああ！？ 』
やっと目が覚めたようだ。
それにしても凄い寝言だ。動画を撮れば良かった。
「 酔いは覚めましたか ？ 」
『 こら兎顔。この私が酔ってるわけないでしょ！！ 』
なるほど、まだ酔いは覚めてないのか。
.. てか
『 ちょっと、何抱きついてんのよ 』
「 こっちの台詞だ。大体あんたが飛びついてきたんだろ 」
この人とんでもない阿保だ。
まあ ちゃっかり手を回しちゃってる俺も俺なんだけどね。
『 あ、兎。名前は？ 』
急に俺から離れ、そう聞いていた。
なんだよ 兎って。
「 .. 言わなきゃダメですか 」
何で ついさっき会ったばっかの酔っ払いに名前を教えなきゃならないのだ。
『 糞兎って呼ばれたいんだったらいいけど？ 』
「 ジョングクです、チョンジョングク。 」
即答してやったよ。
糞兎なんてたまったもんじゃない。
『 チョングク、宜しくね 』
何が宜しくだ。名前も間違ってるし、今日１日で俺たちは絶対に会わないはずだ。
それでも取り敢えず、答えた。
「 こちらこそ、ヌナ。 」
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作者名：こたお | 作成日時：2017年4月12日 18時
