しあわせあふれる/梅原裕一郎 (ページ8)

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『「ごちそうさま」』

Aの作ったハンバーグを食べ終わって流しにお皿を持って行って洗う。

決めたわけじゃないけど少しでもAの負担を減らしたくて俺が始めたこと。

Aは"私やるのに"とか言ってたけど言っても最終的には諦めてソファーでゆっくりしてる。

『ねぇ、うめたや』

「どうした？」

洗い物が終わって片付けてたら呼ばれた。

『お風呂上がり、アイス食べたくない？』

「それAが食べたいだけじゃない？」

『あ、バレた？』

バレるよねぇと笑うA。
ほんっと可愛い。

「アイス、買いに行こっか」

確かに冬のお風呂上がりのアイスって美味しいし。Aに誘われでもしないとアイスなんて食べないだろうから。

近所のコンビニだけどまだ寒い今の季節はコートを羽織って外を出る。

手をぎゅっと握りしめてコンビニまでのんびり歩く。

コンビニで真っ先にアイスコーナーに向かうA。
Aが持ってきたのはパピコ。

『2人で、食べよ？』

そう見上げられると超がつくほど目がキラキラしている。ただのアイスなのにな。
｢はは、いいよ｣

パピコを持ってレジにに向かう。でもAの"待って！"という声で止まると腕いっぱいの青い三本線の入ったエナジードリンク。

そういえばストックもうなかったな。
イラストレーターのAは忙しくなるとエナジードリンク片手に作業部屋に籠ってしまう。

沢山のエナジードリンクが入った袋を持って買ったパピコを食べながら歩いて帰った。