怪盗、実の心情を知る。の巻 ページ19
天祥院Aside
本当に、することが無くなった…
『うむ…どうしたものだか…』
いい加減この状況も飽きてきたし…かと言って出せるものは出したのにも関わらず、全部持っていかれたし…
これはもう本当にすることがないのだよ…
と、地下室の扉が控えめにノックされた後、ゆっくりと遠慮気味に扉が開いた。
おずおずと僕の前まで歩いてきてしゃがみ込む彼。
『…いつもの雰囲気はどこに捨ててきたのかね、僕が拾ってきてあげよう。』←
実「?!いやいやいや、俺別に捨ててきてないっすよ?!」
『む…実がそう言うなら良いのだがね…』
いつものあのチャラい雰囲気がない実。
そんな実は、これまたおずおずと僕に後ろに隠していたものを差し出した。
『?…え、実、これ…』
実「これ、姉さまのでしょ?」
『あぁ、そうだが…』
渡されたのは麗也たちに取られた五線譜やらなんやらだった。
僕が受け取りつつ実の顔を見れば、実は少し頬を赤らめて恥ずかしそうに事情を説明しだした。
実「…あのね、俺、姉さまの笑顔が好きなんだ。姉さまの、あの、キラキラした笑顔。
今の姉さまは…なんていうか、あんまりキラキラしてない。俺、姉さまには笑顔でいて欲しいんすよ。
でも、麗ちゃん達は狂ってしまった。誰のせいとかそんなの分かんない。
…だから、姉さま。
姉さまは、俺が守る。
今、学院の生徒の一部が姉さまを助けるために動いてる。姉さまは隙を見て逃げて。
俺も手伝う。」
真っ直ぐに僕を見て、そう決心した実は、まだ末っ子なのにも関わらず、この状況下で一番頼もしい人となった。
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つー(プロフ) - 星矢さん» 了解です( ̄^ ̄ゞ(笑) (2017年8月25日 15時) (レス) id: 7e93439824 (このIDを非表示/違反報告)
星矢(プロフ) - つーさん» あ、察しちゃいましたか…心の中に秘めておいてくださいww (2017年8月25日 14時) (レス) id: 83b255e42e (このIDを非表示/違反報告)
つー(プロフ) - あ…(察し) (2017年8月25日 14時) (レス) id: 7e93439824 (このIDを非表示/違反報告)
星矢(プロフ) - つーさん» ありがとうございます!!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2017年8月14日 15時) (レス) id: 83b255e42e (このIDを非表示/違反報告)
つー(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2017年8月14日 15時) (レス) id: 79098033ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星矢 | 作成日時:2017年8月13日 20時