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二日目 ページ4

「やぁおはよう!!」

「おはようじゃないぞこの包帯無駄遣い装置が!!」

「痛い痛い痛い!!!国木田くん痛い!!」

「知るか!!」





お昼過ぎ。

お昼ご飯を食べ終え、そろそろ仕事へ戻ろうかと思った矢先、事務所の扉が開き、太宰くんが出勤して来た。


彼は国木田くんに何かの技をかけられ、痛そうにしている。
そんな彼に苦笑し、助け舟を出すのが彼女がである私の役目だ。

手元にあった書類を潤一郎くんに渡し、席を立つ。






『おはよう、太宰くん。』





いつもなら私がこう言えば、彼は笑顔で「おはよう!」と返してくれた。
そこからいつもの惚気が始まり、渋々と国木田くんが離れていくのがいつものパターンだ。





「…A?」

『え、うん…そうだけど…?』





彼はいつもと違う反応をした。





「あれ…A、なんでここに居るんだい?」

『え?』

「君はポートマフィアの人間だろう?何故探偵社に居るんだい?」

『ちょ、何言ってんの太宰くん。』





異常だ。
誰がどう見てもこれは異常事態だった。

もし自惚れてもいいのならば、彼は私を見るといつも幸せそうに笑ってくれた。
綺麗な顔に浮かべた、ちょっと幼い可愛らしい笑顔を私に向けてくれた。

だと言うのに。





『な、何言ってんの。私と太宰くん一緒に探偵社に来たんじゃん。』

「…あぁ、そうだった。」

『…もう、何忘れてんの。』

「あはは、ごめんごめん。…おはよう、A。」





一時的にだけど、彼は確かに、私を忘れていた。

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夜透田 流(プロフ) - 鏡の国のアリスさん» ひぇ…神作品だなんて…シリアス好きの衝動書きには勿体ないお言葉……ありがとうございます…!! (2019年10月27日 16時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 神作品に出会えた……!涙で滲んで画面が見えない事実ェ……(泣) (2019年10月27日 13時) (レス) id: 19bb89c399 (このIDを非表示/違反報告)
星矢(プロフ) - 太宰亜里沙さん» ありがとうございます!真逆、そこまで感動して下さるとは…作者も本作品も幸せ者ですね。最後まで読んでくださってありがとうございました!! (2019年5月21日 22時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 素晴らしい作品です!出会えて幸せでした。最後涙が出てしまいました。感動をありがとうございます! (2019年5月21日 22時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
星矢(プロフ) - g3r_hさん» えぇぇぇ!!めちゃくちゃ嬉しいです!!そんな、数少ない(であろう)コメントを貰えた上に惚れた、だなんて…めちゃくちゃ嬉しいです語彙力無いのが悔しいくらい嬉しいです…!ありがとうございます!頑張りますね! (2019年5月13日 22時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜透田 流 | 作成日時:2019年4月27日 20時

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