十六日目 ページ18
吸い込まれるようにして、床に膝を着いた私に、彼は嘲るような声色で上から声を掛ける。
「もうちょっと楽しませてもらう予定だったんだぜ?あーあ、つまんねぇ。お前はこのままほっといても死ぬだろうし、スナイパーにもう一発撃たせといても死ぬし…後は、お前だけだな。」
私に背を向け、筆頭らしき人は太宰くんへと歩みを進める。
動け、私の足。
動け、私の手。
なんで、なんで動かないの。
このまま死ぬなんて、真平御免だ。
大切な人守って死ぬんじゃなかったのかよ。
守れてないじゃないか!!
『…太宰、くん…』
「…ふん。可愛い彼女の目の前で、鮮やかに散るんだな、太宰治。」
そうやって振りかぶったナイフの前に、
『…っお前が死ね!!!!』
そう叫んで、太宰くんを守るようにして滑り込んだ。
もう一度刺さるナイフ。
今度は、1ミリもずれずに、心臓に。
「Aさん!!」
『はっ…元ポートマフィア第一戦闘部隊隊長、舐めんなよ…』
「まだ、動けるとは…」
苦虫を噛み潰したような顔をする筆頭さんと、その奥に潜んだスナイパーに向けて、最後の力を振り絞って叫んだ。
『異能力、破戒!!』
私が崩れ落ちるのとほぼ同時に、目の前の筆頭は塵となって消えて行った。
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夜透田 流(プロフ) - 鏡の国のアリスさん» ひぇ…神作品だなんて…シリアス好きの衝動書きには勿体ないお言葉……ありがとうございます…!! (2019年10月27日 16時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 神作品に出会えた……!涙で滲んで画面が見えない事実ェ……(泣) (2019年10月27日 13時) (レス) id: 19bb89c399 (このIDを非表示/違反報告)
星矢(プロフ) - 太宰亜里沙さん» ありがとうございます!真逆、そこまで感動して下さるとは…作者も本作品も幸せ者ですね。最後まで読んでくださってありがとうございました!! (2019年5月21日 22時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 素晴らしい作品です!出会えて幸せでした。最後涙が出てしまいました。感動をありがとうございます! (2019年5月21日 22時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
星矢(プロフ) - g3r_hさん» えぇぇぇ!!めちゃくちゃ嬉しいです!!そんな、数少ない(であろう)コメントを貰えた上に惚れた、だなんて…めちゃくちゃ嬉しいです語彙力無いのが悔しいくらい嬉しいです…!ありがとうございます!頑張りますね! (2019年5月13日 22時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜透田 流 | 作成日時:2019年4月27日 20時