【w.r/wr/d.!】幹部？いいえそれ以下です 第一幕

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em視点


暖かい日差しに包まれたここは、今までの資料や戦いの経歴。報告書などが整理された書庫室。
図書室と繋がっていて、隣の部屋にはこの国の歴史や神話などの本がずらりと並んでいる。
私が就いた頃から、この場所を管理するように命じられた。

そんな中一つ問題があった。


em「あ、まだ返却されてない……」


貸し出しだ。一応期限は二週間と伝えてるはずなのだが、いつまで経っても返されていない本や資料がある。
リストを見てみると、確かに返却されてない本の名前が載っているのだが、それを借りた人がAさんなのだが、前に部屋に行った時は本は十冊程度しか無かった。

という事は、Aさんではない違う人が名前を借りて本を持ち出した。なんてタチの悪い。

でもすぐに目星はあった。ここは色んな資料が並ぶ書庫室。全員の報告書を見れば誰が書いたか分かるのだ。


em「……シャオロンさんか」


犯人が分かった所で少し休憩を入れようとすると、この場には似つかわしくない荒々しい音がした。

扉に顔を向けると、金髪の女性が肩で息をしながらやってきた。


op「こちらにA様はいらっしゃいますか！」


……そう言えば、今日は一度もAさんを見ていない。きっと見回りに行ってるのだろうと、「ここにはいません」と声を掛けると、彼女は膝から崩れ落ちた。


op「あ、あぁ、どうし、どうしましょう」

em「何かあったんですか？えぇと、オプロイテ、さん？」

op「毎日訓練の時間になれば顔を出しに来て下さるはずなのに、いつまで経ってもいらっしゃらず……」

em「他の場所とかは……？」


そう言うとオプロイテさんは首を横に振る。

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