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城下町には皆が見えるよう、大きな時計塔がある。毎日6時と12時に鳴る大きな鐘もある。
その鐘が街中全体に響き渡った。文字盤の長針は上を指している。

しまった。かれこれ一時間もここにいてしまった。
提出する資料を纏めるのと、訓練用の武器の手入れをしなければいけないのに……
よっこいせと腰を上げ城に帰ろうとすると、俺の背後から殺.気が。

風を切る音が聞こえ、それを目で追った。公園の木に深々と刺さっている。果物ナイフだ。


zm「…………」


無言で俺を睨んでいた、黄緑。やめてくれ。「なんでなん?」って目で訴えないでくれ。
俺がリアクションしないのに呆れたのか、彼奴はすぐに去ってしまった。
何だったんだ一体。


*****


城に帰ると使用人達が俺に向かって深々と礼をした。なんかこういうよそよそしいの俺は嫌いなんだけど、仕方ない立場に立っているから心の底がムズムズする。

部屋に戻り、沢山の資料を封筒に入れ書記室まで歩く。
何故かと言うと、水と黄に水浸しにされたのだ。お陰様で資料は作り直し。赤は厳しいから、言われた日までに提出しなければ粛清。
どうせ水浸しになったから期限伸ばしてほしいと交渉しても、多分無理だろう。

だからもう資料が濡れないように、カバーを掛け自分の腕で隠すようにしている。


*****


書記室に入った早々、赤にギロリと睨まれる。いつまで経っても慣れないな。


『今週分の資料』


それだけ伝え資料を取り出す。目の前に出すと、左腕をキツく握ってきた。
何故だ。提出期限の四日前に出したのに、まだ何かあるのか。もしかして、期限の過ぎた資料でも出してなかったか?
……いや、資料はいつもと変わらず何日も前に提出はしているはずだ。
赤を見つめるが、彼奴は何も言わずただ黙っているだけ。

俺はそれを見て、手を振り払って書記室から出た。


『うわ、痕出来た』


他人事のように、腕を一回りする痕を見る。

ふと頭を過ぎる昔の記憶。真っ暗で飯も美味しくない、一定時間嬲られ、手首と足首に出来た、あの真っ赤な痕。


『やめやめ、思い出すな』


あの人が言ったんだ。「お前は悪くない」って。
今はその言葉が、その言葉だけが俺の生きる意味でもあり、糧でもあるんだ。

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夜殺神 - 恋の戦争宣戦布告もみたでー!おもろいなぁ…あと小説の設定の書き方がいまいちわからないんで教えてくれません? (2019年10月24日 1時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - 夜殺神さん» ありがとうございます!!!┏○))ペコリ (2019年10月22日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
夜殺神 - 面白いなぁ…更新頑張ってください……もっかいみてきまぁす (2019年10月17日 16時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - セイカさん» ありがとうございます(*ˇωˇ) (2019年10月2日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 15時) (レス) id: 517bdcf732 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:來憂 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seiya02201/  
作成日時:2019年9月15日 9時

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