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『不老不死なんて、完全体は無いんだよ』
em「ですが、先程の傷は無くなってましたよね?」
『半分って事。傷は治るけどタヒぬ。周りよりもうんと遅く』
em「半分の不老というのは……」
『簡単に言うと、老いるけど周りよりもゆっくりゆっくり歳を取るんだ。二.三倍の時間はかかる』
em「普通に寿命を迎えて亡くなる事はあるんですか」
『さぁ?俺の最期はまだ迎えてないから分からねぇよ。まあタヒのうと思って行動に移せば、コロッとタヒねる』
その言葉を聞いて、椅子から立ち上がっていた茶は力無く椅子に座った。
一つ息を大きく吐いて、真っ直ぐこちらを見た。
em「因みに今はお幾つで?」
『何歳だっけなぁ。今こんななりだけど、実際は三十……くらいだったかな』
em「……すみません。ショッピくんと同い年だと勘違いしてました」
『いやいやいいよ。逆にこの姿のお陰で思うように身体が動くから、何も思ってねぇよ』
そう言うと茶は下げてた頭を上げ、少し悲しそうに、でも俺を探るように質問を投げかけた。
em「……辛くないんですか?」
『慣れだよこんなもん。それにこれは弱い方だ。先祖は人間と結婚し、子を産み、力を引き継いできた。それと同時に、これは血統が薄くなっていき、段々と弱くなっていく』
em「成程……」
『これが、俺の隠してた二つ。
……少し気分がいいんだ、他の質問に答えるよ』
すると少しだけそわそわし始める茶。
なんだ、あんなに質問してきたのにまだあるのか。探究心が強いんだろう。
em「……どうやったらタヒねるんですか?」
『急所だな。心臓とか一突きされたら、すぐお陀仏だね』
em「御両親は……?」
『さぁ。物心ついた時から兄さんと居たから、多分タヒんだか捨てられたな』
em「す、すみません」
『いいさ、もう終わった事だし』
……なんだ俺。此奴に変な情でも移ったか?柄にもなく、自分の事をペラペラと語ってしまった。
茶には、特別なにかあるという訳では無いのに。
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夜殺神 - 恋の戦争宣戦布告もみたでー!おもろいなぁ…あと小説の設定の書き方がいまいちわからないんで教えてくれません? (2019年10月24日 1時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - 夜殺神さん» ありがとうございます!!!┏○))ペコリ (2019年10月22日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
夜殺神 - 面白いなぁ…更新頑張ってください……もっかいみてきまぁす (2019年10月17日 16時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - セイカさん» ありがとうございます(*ˇωˇ) (2019年10月2日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 15時) (レス) id: 517bdcf732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來憂 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seiya02201/
作成日時:2019年9月15日 9時