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目が覚めた。無機質な部屋はいつ見ても薄暗い。いつもの黒い服に身を包み、部屋を出る。
この時間は殆どの人が出歩かないから誰もいない。その事に俺は深く息を吐いた。
───腹減ったな。
腹の虫を抑えながら。俺は食堂を目指した。扉を開くと、美味しい匂いが漂う。それにつられ、奥の部屋に行くと、シェフとコック達。
俺の存在に気付くと、挨拶をしてくれた。
『おはよう。朝早くからお疲れ様』
いつもの言葉。俺達の為に、毎日毎日美味しい料理を作ってくれるんだ。これぐらいは当たり前だ。
見慣れない顔のコックがいた。……あぁ、そう言えば新入りが入ったんだったな。
そいつが、震える手でトレーを俺に運ぼうとした。
……だが足が縺れ、料理は床にぶちまけられ皿の割れる音。
コック「!! も、申し訳ありません、A様!すぐに新しい料理を……」
と、青ざめた顔で言うが、それを制す。
『大丈夫だ。怪我はしてないか?』
コック「は、はい……」
『そうか。それなら良かった。俺の料理は用意しなくていい。適当に食べるから。使用人達を呼んでくる』
そう言うととても申し訳なさそうにコックは返事をする。
その顔に罪悪感を抱き、俺は彼の手を握り言った。
『申し訳ないと思うなら、昼食を楽しみに待っているよ。そんな顔をするという事は、皆が頑張って作ってくれたんだろ? だから、次は足元にも気を付けてくれ』
そう言うと、新人コック君は元気よく返事をした。
ああ、昼が楽しみだ。
……そうだ、使用人を呼ぶんだった。
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夜殺神 - 恋の戦争宣戦布告もみたでー!おもろいなぁ…あと小説の設定の書き方がいまいちわからないんで教えてくれません? (2019年10月24日 1時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - 夜殺神さん» ありがとうございます!!!┏○))ペコリ (2019年10月22日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
夜殺神 - 面白いなぁ…更新頑張ってください……もっかいみてきまぁす (2019年10月17日 16時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - セイカさん» ありがとうございます(*ˇωˇ) (2019年10月2日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 15時) (レス) id: 517bdcf732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來憂 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seiya02201/
作成日時:2019年9月15日 9時