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一刻も早くこの場から去ろうと歩くと、後ろから近付いて来る二人。振り返ると、俺の首元と腰に手が回った。
勢い任せに倒れると、ふわり。紅茶とミントの匂いがした。
em「……辛かったんですね」
『うっせぇ』
茶が耳元で震えた声を出した。俺の首元に頭を置き、頭を抱えるように抱き締められる。
こんな風にされた事なんて、指折り数えるくらいしかなく、涙腺が刺激される。
だめだ、泣かないように気を引き締めるんだ。
syp「なんで、そんな事……ごめん、なさい。ごめんなさい……!」
『おい、泣くなって』
赤紫の顔が腹部の辺りにあるからか、濡れ始める。何故、俺の話なんかにこいつらは泣いているんだ。
『泣くなお前ら、大の大人が』
syp「だっで……」
『あ"ー、もう!!』
ヘルメット越しに赤紫の頭を撫でる。それのせいなのか、また涙を流し始める。
何だ、俺が悪いのか!?
em「Aさん」
『何?』
em「……いえ、何でもありません」
大人ぶってるけど、隠せてない。くしゃりとした顔で、今すぐにでも泣きそうだ。
……だが、思い出してほしい。
此奴等二人が許したとて、彼奴等はどうだ?
許すと言う単語すら彼奴等の辞書には到底書かれて無いだろう。俺がタヒんだって、地獄の果まで追いかけてくるだろうし。
『いいか?これは俺の問題だ。だからお前らは関わらなくていい。』
syp「……A様がそこまで言うなら」
『あともう俺に近付かない方がいい。これが最後の忠告な』
二人の頭をぽんぽんと優しく叩き、涙を拭う。一時ほっこりした空気が流れたが、背後からの鋭い痛みに神経を全て持っていかれた。
『……ッ!』
zm「んふふふ。知らない内に弱なったなぁ」
『図ったな……!!』
ギロリと黄緑を睨んでも、帰ってくるのは含み笑い。
何故避けなかったか。避けたかったが、自分は刺されても生きられると分かっている。
問題は後ろだ。
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夜殺神 - 恋の戦争宣戦布告もみたでー!おもろいなぁ…あと小説の設定の書き方がいまいちわからないんで教えてくれません? (2019年10月24日 1時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - 夜殺神さん» ありがとうございます!!!┏○))ペコリ (2019年10月22日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
夜殺神 - 面白いなぁ…更新頑張ってください……もっかいみてきまぁす (2019年10月17日 16時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - セイカさん» ありがとうございます(*ˇωˇ) (2019年10月2日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 15時) (レス) id: 517bdcf732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來憂 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seiya02201/
作成日時:2019年9月15日 9時