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『……と、まぁこんな感じだ。もう帰るな』
質問攻めに疲れた。しかもそこまで実用性のない質問。好きな物とか誕生日とか、いつ幹部になったのか。
好きな物なんてないし、誕生日なんて俺には無いようなもの。とにかく意味のない質問だった。
em「何故頑なに答えないんですか?」
『……聞いて何の得になる?』
em「仲間の事を知りたいと思うのは可笑しいでしょ うか」
その瞳には何の悪意も無かった。ただ、純粋に自分が知りたい事を質問してるだけ。
だが、俺のせいで優しすぎるお前が嫌われるのは嫌なんだ。だから今の内に俺に懐かないように、引き離していると言うのに。
ここであしらっても、どうせ次の日にまた聞きに来るのだろうか。それが面倒くさく思え、口を開いた。
『……兄さん、って知ってるか』
em「……いいえ、すみません」
syp「俺は知ってます。外交を担当していて、武器庫の管理をしていた人っすよね?」
『その人、俺を庇って死んだんだ。あの人とは昔からの付き合いでな。皆と仲良かったんだ。
……俺を庇ったんだ。急所は外れたけど、血がいっぱい出てきて。段々冷たくなる兄さんを見ているだけで、傷口を抑えても手は真っ赤になって、兄さん、最期まで優しくて「お前は悪くない」って、言ってくれてさぁ』
『……俺が、殺したんだ』
本当は思い出したくなかった。こうやって口に出してみると、もう居ないんだ。と、現実を突きつけられてる感じだ。
何年も前なのに、つい最近の事のように鮮明にあの光景が蘇る。
この場が一気に冷え込んだ。二人は聞いてはいけない事を聞いたと思い、吃り始めた。
『だからこんな人.殺しと一緒に居ない方がいい。もう、俺に関わんな』
二人の顔が見れなかった。
俺の事をこんな風に知りたがる奴なんて、今まで居なかったのに。何で、素性も知らない奴らにこんな事を話してしまったのだ。
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夜殺神 - 恋の戦争宣戦布告もみたでー!おもろいなぁ…あと小説の設定の書き方がいまいちわからないんで教えてくれません? (2019年10月24日 1時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - 夜殺神さん» ありがとうございます!!!┏○))ペコリ (2019年10月22日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
夜殺神 - 面白いなぁ…更新頑張ってください……もっかいみてきまぁす (2019年10月17日 16時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - セイカさん» ありがとうございます(*ˇωˇ) (2019年10月2日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 15時) (レス) id: 517bdcf732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來憂 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seiya02201/
作成日時:2019年9月15日 9時