【w.r/wr/d.!】幹部？いいえそれ以下です 第一幕

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『エーミール、ショッピ。俺の事は気にすんな』

em「ですが……」

『総統、書記長。俺の名前が載ってないのは、自由に動けっていう解釈でいいんだろ？』

gr「あぁそうだな」

『それで話は終わりか？』

tn「せやな。伝える事は無い」

『じゃあ先に帰るわ。お疲れ』


扉の近くにいて助かった。総統室を出て鈍った体を動かそうと訓練所に行こうとした瞬間、腕を掴まれた。
後ろには、不機嫌そうな顔をした赤紫。

一体何の用だ。


『……何』

syp「案内、してください」

『何処を？てか、何で俺が』

syp「この城内をです。あとA様の事もっと知りたいなって。」

『阿呆か物好き。そんなんお前の上司に聞け。俺は知らん』


その手を引き剥がそうとしても、流石現役。いや俺も現役なんだけれど……
力はとても強く、そう簡単には出来なかった。それを予想していた赤紫は、ニヤリと笑う。

はぁ、とため息をつくと、赤紫は嬉しそうに頬を緩めた。


syp「じゃあ、エミさんも連れてきます」

『あ、おいこら！！』


ぴゅんと総統室に戻った赤紫。

その姿はまるで過去の兄さんの周りを犬のようにうろちょろしている俺に見えてしまい、思わず涙が出る。


『……兄、さん』

em「何か言いましたか？」


いつの間にか来ていた茶と赤紫。二人を一瞥してポケットに手を突っ込む。


『……気にすんな』

syp「A様はどうしてこの国に？」

『……ショッピ。俺の事なんか探っても何も出てこない。無駄な労力だ、やめておけ』


ここまで言えば少しは大人しくなるだろう。それに、関わる事をやめてくれるだろう。

……そう思っていた。

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