【実.況/者】お前の秘密、俺が握っている【K/y】

32.〔俺以外の奴を〕 ページ34

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気付いたら、目の前に居た大勢の敵は足元に居る。

手は皮が剥がれて、血まみれに。頭から流れていた血は、もう止まっていた。



『っはー、やっと終わった！』

「流石、通り名通り。慈悲がねぇな。」

『慈悲が無いからこそ、楽に相手を倒せるのよ。そういうキヨこそ。通り名通り。』

「当たり前だろ？何年サッカーで鍛え上げたと思ってんだ。」



終わった感覚でいるから、他愛もない会話が繰り出される。

ほのぼのとしたこの教室は、明かり付けたら血まみれだろうなぁ。一体、どこのホラーなんでしょう。
そんな事を考えていると、キヨがじっと私を見ているのに気付いた。



『何見てんの。もしかして、血とか付いてる？』

「いや？雲仙ってよく見ると、顔が整ってんなって。」

『はぁっ！？』



いきなり何を言い出すのかと思えば、吹っ飛んだ発言をする。

あわあわと焦っていると、キヨはずいっと近付いてくる。



「俺さ、もしかしたら雲仙の事が好きなのかもしんね。」

『…よく、平然と言えるな。』

「それが俺ですから。」

『そこ自慢するところじゃない。』



まぁ、キヨはカッコいいと思うよ？でもさ、カッコいいから付き合うっておかしいと思う訳よ、私的に。

などとグチグチ考えていると、キヨは私の頬に手を添え、目が合うようにさせられる。

私なんかより綺麗で、澄んだ黄色の瞳が私を見つめる。



「Aは、俺以外の奴、見るんじゃねぇよ。」

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