青天の霹靂【 sh 】 (ページ7)

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次の日。雨は止み、雲１つない真っ青な空が広がっていた。

片腕に〈ショウ〉くんの傘を持ち、深呼吸をしていつもの車両に乗り込んだ。恐る恐る視線を上げると、……いなかった。

いつもの場所には知らない男性が座っていた。何を期待したのか、分かりやすく落胆し、腕が竦んだ。傘が落下しそうになって慌てて取手を拾おうとしたところで隣から誰かの腕が伸びてきて、傘を通り越して私の手に触れた。

「大丈夫ですか？」
「……ショウ、くん、」
「え、なんで俺の名前、」
「あ、……」

思えば〈平野紫耀〉という４文字を記憶したあのとき、" 紫耀 " の読み方が分からなかった。

なるほど。あれで " ショウ " と読むのか、と納得した。と、同時に馴れ馴れしく名前を呟いていた自分に何度目かの後悔が押し寄せる。気まずさは拭えず、目を丸くして私を見つめる視線に耐え切れなくなり俯いた。

「えっ、と、……あの、ごめんなさい！」
「え？」
「傘、昨日そのまま持ってっちゃって……」
「あぁ、全然いいっすよ」
「返します」
「あ、どうも」

……乗り切った？名前の下り、今やんわりと逸らしたんだけど、大丈夫そう？６個下の高校生に怯える２４歳。……これでもう終わり。はい、サヨウナラ。安堵したのも束の間。

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