【小説】バカ部！！

第6話 ページ7

今、俺は自転車を猛スピードでかっ飛ばしている。

カーブに差し掛かるとギャリギャリとタイヤが不吉な音を響かせる。

この俺____三樹京也はとても焦っていた。
どれくらいかと言うと夏休み最終日に宿題が真っ白だったとき位に焦っている。
何故、俺がこんなにも焦っているのかと言うと____

部員共よりも先につかなければあいつらを嘲笑えないからだ！

これは青春部___バカ部が始まってからは日課になっていた。

入学式と言う一大イベントの日にこのとても大事な日課を忘れるとはッ！

俺はさらに自転車をこぐスピードを速めた。

次の曲がり角を曲がると、校門と部長、幼馴染みの夕誉、その手前には走り出しているバカ三人_ゲフンゲフン、四十万崎尹成、日高春雨、設楽時雨が見えた。

俺はそれを見てさらに自転車をこぐスピードを上げた。

まずはバカ三人の隣を通り越していく。
次に我らがバカ、青葉部長と夕誉を追い越して校門内に入った。

部長から少し離れた場所に自転車を止め、バックからタオルを取り出し汗を拭きながら部長達を見る。

そして嘲るような笑みを浮かべ、いつも通りに言い放った。

「おはよう愚民共。」

と。

ふぅ、やりきったぜ。

清々しい気分で下駄箱に向かった。

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