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指定されてきた場所は、高級ホテルのレストラン。
『 高橋部長！待たせてしまい申し訳ありません … 』
「 大丈夫大丈夫、Aちゃん、お腹空いてる？ 」
Aちゃん。
部長、いつから私のことそう呼び始めたっけ。
『 空いてます… 』
「 このコースとかオススメなんだけど、 」
コースって … 1万もするじゃん。
『 あ、でも … 私にはちょっと高いかなって … 』
「 いやいや、俺が呼びつけたんだから俺に払わせてね 」
部下に対してこんなに羽振りがいいなんて、やっぱり変。
『 … あ、あの、お仕事の話って ー 』
「 Aちゃんってさ、恋人とかいるの？ 」
私の話を遮って、
プライベートな話に踏み込んでくる。
こんな話、部長にしたくないんだけどなあ。
『 … はい、結婚を前提に付き合っている方がいます 』
「 そっかー … いや、今度機会があったら旅行にでもと思ったんだけど、彼氏いたらダメか 」
『 社員旅行ですか？ 』
「 いや … ふたりで 。あ、この話したのは秘密にして 」
素敵だなと思ってた部長のイメージが、
この一言でダムが崩壊したかのように一気に崩れた。
丁重にお断りをして、お金を渡すと逃げるようにその場を後にした。
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作者名：留学生A | 作成日時：2019年5月29日 19時
