シャイニング事務所の清掃員が帰って来た。またトラブルを連れて。【男主】 (ページ10)

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「一を聞いて十を知る」ページ10

すると、襖が開いた。

「連絡取れましたよ。今家にいるから何時でもこいって言ってました」

「何処にいるの？」

「確か...」

そうして、結衣は光明の住所をスラスラと答えた。

「え？ちょっと待って。そこお母さんがいるマンションなんだけど...」

「「「え？」」」

こうして、隣に陰陽師がいる事が判明した皆は楠家があるマンションの部屋の前に集まった。

そして、光明の家の前にいる。

「此処にいるんだよね？鈴？てか、結衣ちゃんは？」

「なんか習い事で来れないって。でも、住所はここだったよ」

楠は息を飲んでインターホンを鳴らした。

『はーい。千代原ですが？宅配便ですか？』

「あの、依頼で来たんですけど...」

『え。依頼？あっ、もしかして結衣ちゃんのお友達？』

声が随分明るめになった。

「あっ、はいそうです！」

『OK！じゃあ、開けるね！』

そして、扉が開いた。

「初めまして！僕が陰陽師の千代原光明ですっ！どうぞどうぞ！入って！」

光明が手招く真似をした。

「お邪魔しまーす...あっ、案外普通の家だ」

「どんな家だと思ったの？あっ、左手曲がってね～そこ応接間だから」

そうして全員が席に着いた。

「改めて、僕が千代原光明だよ。依頼はなぁに？」

「実は私たちが所属するシャイニング事務所に幽霊が出ると噂があるんです。それを除霊して頂けないかと...」

トキヤが説明をした。

「ほう...幽霊...君達、東京の人？」

「あっ、赤毛の彼以外出身は様々ですよ」

「ほへ～、うん？」

すると、光明が楠の顔を覗き込んだ。

「君さ、出身校どこ？」

「え？何でですか？」

「高校どこでてる？」

鋭い視線に押され、仕方なく楠は答えた。

「美弥妃高校ですが...」
(実際には存在しません！ご注意を！)

光明はまた楠を凝視した。

「なっ、何なんですか！さっきから」

「御免。僕も美弥妃高校出身なんだ。ねぇ、もしかして...君、悪さしまくってた不良の楠幸輔君？」

「えっ！？」

「へっ！？」

楠と鈴は同時に驚いた。

「不良？楠さんがですか？」

「やっぱり！通称「美譚の玄武」。強烈な足技で他校の不良と喧嘩してたんだよね？まさか、君がこんな真面目になっているとはね。もしかして、源君がいなくなってから「黙れ！」えっ？」

部屋に沈黙が走った。

「それはもう黒歴史なんです。黙っといてくださいください」

「お兄ちゃん...」

鈴が心配の目で見つめた。

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