第1話 『灰色の追憶』 ページ2
目を瞑ったまま、鳴り響く目覚ましを手探りで止める。
止めた後もそのまま寝転がる彼女には、目を開いていないにも関わらず外が明るいのが感じ取れる程の煌びやかな日光が当たっていた。
『眩しっ……いま何時……今日も12時回った？』
目を擦りながら、薄らと開けた目で時計を見る。
時刻は12時6分。
『24時6分だったら、並び替えて神代類君の誕生日になったんだけどなぁ……じゃない眠いあぁもう既に寝たいぃぃ』
今し方起きたばかりにも関わらず、眠いだの寝たいだのと、部屋中に響き渡る声でそう言い放つ彼女の名前はAA。
つい先週、高校を卒業したばかりの18歳だ。
『……毎回朝起きる度に��今日の教科何だっけ→学校無いわ→そういえば卒業したんだった��って考えちゃうの本当嫌だなぁ』
誰に伝わるわけでもない言葉を紡ぎながら、充電マックスの携帯と、一緒に寝ていた兎のぬいぐるみを連れリビングへと向かう。
ここ最近は日が昇ってから寝るという生活を繰り返している為、彼女の朝ごはんは時間的に言えばほぼ昼食に近い。
深夜に夜食を食べる訳でもないので、実際彼女が一日に摂る食事は昼食と夕飯の2回のみとなっている。
が、外に出ず運動を全くしないので、朝食を食べない事でダイエットになっているかと言われれば別にそうでもない。
『……おはよぉぉ……って誰も居ないか』
リビングに着いた彼女は気怠げに挨拶をするが、返す人は一人もいない。 というのも、
『そりゃそうか。平日昼間だし』
そう。 高校を卒業し完全に休みに入った彼女は自宅にいるが、他の家族はそうもいかない。
小中学校の卒業式ももう少し後なので、現状自宅に居るのはAただ一人なのだ。
『朝作んのめんどくさいなぁ……先にチャレライやって、その後お腹空いてたらなんか作ろうそうしよう』
実際は、チャレライ消化した後も『お腹空いてないし、もう朝抜いておやつの時間にお菓子食べよ』なんて言い出す始末である。
完全に堕落し切っているのが、AAの現状だ。
『……あ、先に着替えておこう。外に出る訳じゃ無いけど』
そう言いながら、今まさにプロセカが起動したばかりの携帯を机上に置いて立ち上がる。
『何着ようかなぁ……』
最近は楽な格好の服ばっか着てたし、たまには普通の服も着ようか、と考えながらタンスのある部屋のドアを開ける。
……そうした彼女の後ろで、机の上の携帯の画面が一瞬虹色に輝いたことも知らずに。
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星空 かるて(プロフ) - おしめじさん» コメントありがとうございます！いや本当めちゃくちゃ嬉しいです……4月に入ったので徐々に忙しくなりますが、なるべく更新出来たら良いなと思ってます！！ (2023年4月5日 16時) (
レス) id: ede496a435 (このIDを非表示/違反報告)
おしめじ - とても面白くて本当に大好きです！毎日更新してるかなー？ってわくわくしてます！！これからも頑張って下さい！応援してます〜！！ (2023年4月4日 23時) (レス) id: 3581385888 (このIDを非表示/違反報告)
星空 かるて(プロフ) - さふゆわさん» コメントありがとうございます！！中々お話の時間が進まなくて先の展開が頭の中でうずうずしてます！笑 頑張って更新していきます！ (2023年4月4日 10時) (レス) id: ede496a435 (このIDを非表示/違反報告)
さふゆわ - このお話とっても面白いのでお気に入りです！、これからも更新頑張って下さい！ (2023年4月4日 1時) (レス) @page39 id: cde793218e (このIDを非表示/違反報告)
星空 かるて(プロフ) - わわわ、初コメありがとうございます！！ 主人公ちゃんたまに闇属性してますよね……作者の好みでs(((これからも地道に書き綴っていきます！！ (2023年4月3日 16時) (レス) id: ede496a435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星空 かると | 作成日時：2023年3月29日 2時
