時間遡行軍〜�� ページ8
【時間遡行軍〜加州side】
主の家族、小角(おづの)さんと棗さん。
二人は気さくで優しい人たちだった。
本丸のこと、仲間の刀剣男士たちのこと、主と出会った頃のこと。
俺は色んなことを話した。
二人は俺の話に静かに耳を傾け、とても真剣に聞いてくれた。
しばらくすると、棗さんが白い布に包まれたものを抱えて持ってきた。
ゴトリ。
鈍い音を立てて置かれたそれは、なんだかすごく嫌な感じがした。
「棗さん、これ何？」
「何だと思う？」
はらりと布がめくられると、中から一振りの刀剣が現れた。
「…？」
その刀剣は真っ二つに折られていた。
「これは私たちの本丸を襲った時間遡行軍のものです」
「時間遡行軍…」
半年前、主が来て間もない頃。
うちの本丸は時間遡行軍に襲撃された。
最終的には【鶴丸国永】を携えた主が応戦し、戦いは彼女の圧勝で終わった。
あの出来事は、今やうちの本丸の伝説になりつつある。
「遡行軍についてあの時詳しいことは分かりませんでした」
「まぁ、主が問答無用で全部やっつけちゃったしね…」
「ですが今も、別の本丸が襲われ続けているそうです」
政府の話では未熟な審神者や、運営が不安定な本丸が攻撃の対象になりやすいという話だった。
「彼らはどこからそんな情報を得ているのかと、ずっと疑問に思っていたんです」
「どこからって…主、どういうこと？」
すると、棗さんがおもむろに折れた刀の柄を持ち上げた。
「この子からの依頼でね、それを探るために色々調べてみた。…見てて」
棗さんは刀に手をかざす。
バチバチと黒い電気のような光が走った。
「これは強力な封印が施されている証拠。敵はこの刀から自分たちの情報がバレないように何重にも術を掛けてるんだよ」
棗さんはトンっと刀を軽く叩いた。
「だけど俺の前では意味がない」
再び手をかざし、折れた刀身にさらさらと指で何かの文字を書いた。
バチ！
バチ！！！
大きな音を立てて黒い光が四方に散っていく。
「まず、ひとつ」
棗さんは淡々と封印を解いていく。
簡単そうにやっているけど、たぶん結構高度な技術なんだと思う。
「――これで最後」
バチィ！！！！
ひときわ大きな音がして、黒い光が弾けて消えた。
――封印が、解けたらしい。
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コトナガ(プロフ) - 名無しくんさん» お読み頂きまして本当にありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いします！ (2020年8月9日 10時) (
レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初の方からずっと楽しませていただきました！とても素敵な終わり方でとても面白かったです！続編も楽しみにしています！ (2020年8月8日 21時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - コトナガさん» 完結おめでとうございます！！ 最後の最後で夢主との再会してくれた！！鶴丸さん、かしゅう良かったね 続編も楽しみに待ってます！ (2020年8月7日 16時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
コトナガ(プロフ) - 鈴桜さん» 先日はコメントありがとうございました。おかげさまで最終話を迎えました。また続編を作ったときは読んで頂けると嬉しいです。それでは失礼いたします。 (2020年8月7日 10時) (レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - まさかの夢主の師匠と兄弟子がぁ！！ 続きどんな事になるんだ！！ そして、夢主はどうしてるのか気になります (2020年7月31日 8時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトナガ | 作成日時：2020年2月2日 1時
