決断〜�� ページ19
【決断】
襲撃を受けた会場は騒然としていた。
想定外の攻撃に、政府の防衛機能は対応が追い付いていないようだった。
――そんな中、会場内に凛と響き渡る複数の声があった。
「みなさん結界の中へ！早く！！」
「こっちだ！急げ！！」
会合に参加していた審神者たちは協力し合い、ある一ヶ所に巨大な結界を張る。
そこに人を集め、時間遡行軍からの攻撃を防いでいた。
――さすがは本丸を持つ審神者たち。
彼らの冷静な判断と迅速な対応のおかげで、今のところ怪我人は出ていない。
続いて彼らは自身の刀剣男士たちに指示を出していく。
『緊急指令だ！会場内に出現した時間遡行軍を速やかに掃討(そうとう)せよ！！』
大規模な討伐任務が始まろうとしていた。
――――――
「A殿！」
混乱極める中、Aは背後から声を掛けられた。
「A殿、ご無事で！ようございました」
「明里(あけさと)さま」
結界の中、人を掻き分けて現れたのは顔見知りの老紳士だった。
総帥・明里。
全審神者たちを束ねる立場にある彼は、時間遡行軍の襲撃に驚きつつもさすがに冷静さは失っていない。
この危機にどう対応し、どう脱するかを思案しているようだった。
「本当に貴女さまの仰るとりになってしまうとは…。時間遡行軍が政府の会合を襲うなど、前代未聞です」
「遡行軍を操っているのは【雛野(ひなの)】と言う名の少女でした。黒の本丸の初代審神者だと言っていましたが、お知り合いですか？」
「雛野…まさか彼女が…」
明里は暗い表情で呟いた。
かつて歴史を守るために共に戦っていたはずの彼女が、今では人間に仇なす存在になっている。
そんな危険人物を政府が放っておくことは出来ない。
「ここで止めなければ被害は更に大きくなります。明里さま、如何いたしますか？」
「……」
迷っている時間はない。
こうしている間にも雛野は大量に遡行軍を顕現させ続けていた。
刀剣男士たちが奮闘しているが、敵の数は一向に減っていない。
「…ふむ。雛野を直接叩くしかありませんが…彼女の元に辿り着けるかどうか」
結界外は遡行軍で溢れている。
つまり…。
遡行軍から身を守りつつ、更に雛野を討てる程の実力が求められるのだ。
明里は唇を噛む。
審神者は基本的に直接戦う能力を持っていない。
遡行軍は刀剣男士の刀でしか断つことはできないのだ。
どう考えても人間である彼らの手に余る。
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コトナガ(プロフ) - 名無しくんさん» お読み頂きまして本当にありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いします！ (2020年8月9日 10時) (
レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初の方からずっと楽しませていただきました！とても素敵な終わり方でとても面白かったです！続編も楽しみにしています！ (2020年8月8日 21時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - コトナガさん» 完結おめでとうございます！！ 最後の最後で夢主との再会してくれた！！鶴丸さん、かしゅう良かったね 続編も楽しみに待ってます！ (2020年8月7日 16時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
コトナガ(プロフ) - 鈴桜さん» 先日はコメントありがとうございました。おかげさまで最終話を迎えました。また続編を作ったときは読んで頂けると嬉しいです。それでは失礼いたします。 (2020年8月7日 10時) (レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - まさかの夢主の師匠と兄弟子がぁ！！ 続きどんな事になるんだ！！ そして、夢主はどうしてるのか気になります (2020年7月31日 8時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトナガ | 作成日時：2020年2月2日 1時
