鮮やかに【Atsuto.u】 (ページ9)

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午後からの練習のために、ジャージに着替えて家を出る支度をする。

あ、一応Aに一声かけとくか。

トントン、と軽くノックをすると、はーいという声と共にすぐにドアが開いた。

「どうしましたか？？」

篤人「練習あるから行ってくるね。」

「わかりました！帰りは何時頃になりますか？」

篤人「んー、18時前には戻ると思う。」

「したらご飯作って待ってますね！」

篤人「ん、よろしく。」

「練習、頑張ってください！」

…なんか、かわいいなあ。

妹のことを思い出す。

ぽんぽんと、頭を軽く撫でて部屋を後にした。

そういえば、Aっていくつだろう。

大学生だったって言ってたし…、10代？

若いなー。ってか子供じゃん。

単身でドイツなんて、不安だろうな。

親は何してるんだろう。

日本にいる頃はどこに住んでいたんだろう。

俺、Aのことなんも知らないな。

…まあいいか。時間はまだある。

ゆっくり知っていけばいい。